【NEWS】 NHKメディアテクロジー 8K22ch 150インチ常設シアター「Theater U」を運用開始 BS試験放送に合わせて整備 幅広い利用に対応
2016.3.11 UP
常設の高精細シアター「Theater U」
上映用の機材
音響機器
操作タブレット
NHKメディアテクノロジー(NHK-MT)は2月22日、常設の高精細シアター「Theater U」の運用を開始した。
既存のHD 3D試写室を、内装を含め全面改修したもの。BSでの8K/4K試験放送の開始にあたり、8Kスーパーハイビジョン(SHV)や4Kコンテンツの試写、さまざまなプレゼンテーション向けに整備した。シルバースクリーンなど必要な機材をそろえれば3D再生も可能。
名称の「U」は、「ウルトラHD」や「アルティメット」、また社会に貢献することを目指し、「for YOU(観客である)あなたのために」といった意味を持たせた。NHK関連会社以外への貸し出しを含め、幅広い利用を期待しているという。
内部は、150型のスクリーンと、ミニシアター形式に配した革張りの座席20席を備える。
後方の映写室には、8K/4K、HDのプロジェクターや各種再生機器を設置。「AJ-ZS0500」はパナソニックの新しいSHVレコーダーで、エクスプレスP2カード4枚とマイクロP2カード1枚から再生する。作業後はLTOテープにアーカイブをとり、再度試写する際はカードに書き戻して再生する。4Kには、ソニーのXAVCサーバーやAJA「KiProウルトラ」を準備した。
8K視聴には、110型液晶モニター(BOE製)も用意。700カンデラ/平方メートルの明るさで微細な部分まで確認できる。2015年の同社内覧会でも紹介された操作タブレットを使い、ユーザー自身が視聴したい8K/4K映像を選び、再生することができる。
再生機器はすべて朋栄のルーティングスイッチャー「MFR-3000」(64×64)に引き込んでおり、必要に応じた機器を利用できる。「8K、22.2chまで視聴できる環境が少ないので、クロスコンバーターなどを介してシステムに柔軟性を持たせた。将来的には、試写したものをその場で修正できる環境とすることも考えている」(説明員)という。今後発展が見込まれる8K機器向けに、ラックの増設スペースも確保するなど、拡張性をもたせた設計をした。
音響は22.2chまで対応する。試写に利用しやすいよう、作った音を素直に再生できるフラットな周波数特性の環境とした。トリノフオーディオの「MCプロセッサー」で室内の音場を補整することで、22.2chの再生をサポートしている。
また、機器を一括管理するソフトウエアを開発。照明や再生機器、音響の設定を簡単に選択でき、直感的でスムーズな運用を実現した。
◆主な機器
8K/4Kプロジェクター=DLA-VS4800(JVCケンウッド)
HDプロジェクター=TH-DW10000(パナソニック)
SSDレコーダー=HDR-7512-C(アストロデザイン)
非圧縮ディスクレコーダー=UDR40S(計測技術研究所)
SHVレコーダー=AJ-ZS0500(パナソニック)
XAVCサーバー=PWS-4400(ソニー)
SxSプレーヤー=PMW-PZ1(ソニー)
XDCAM=PDW-HD1550(ソニー)
HDCAM=HDW-M2000(ソニー)
ルーティングスイッチャー=MFR-3000(朋栄)
モニタースピーカー=メイン:D-80coax(KSデジタル)
モニタースピーカー=サブウーハー:ADM-B2(KSデジタル)
マルチチャンネルプロセッサー=MCプロセッサー(トリノフオーディオ)
デジタルミキシングエンジン=DME64N(ヤマハ)
常設の高精細シアター「Theater U」
上映用の機材
音響機器
操作タブレット