【ニュース】ハリウッドでVES主催「VFXキャリア・フェア」が開催
2012.6.25 UP
長蛇の列のILMブース
SPIブースも人気
会場となったホテル
会場で配布されていた資料
6月16日(土)、ハリウッドのLoews Hollywood Hotelにおいて、VES(ビジュアルエフェクツ・ソサエティ / 米視覚効果協会)主催による「VFXキャリア・フェア」が開催された。会場には著名VFXスタジオのブースが軒を連ね、大勢の参加者で賑わっていた。LA会場の状況を報告する。(鍋 潤太郎、取材協力: Visual Effects Society)
■世界3カ所で人材獲得のイベント開催、ディズニー、ソニー、ILMなどが参加
昨年に引き続き2回目の試み。今年はニューヨーク、LA、そしてロンドンという世界3個所での同時開催となった。
筆者が足を運んだLA会場は、アカデミー賞でお馴染み旧コダック・シアター(5月にドルビー・ラボラトリーズが命名権を獲得し現在はドルビー・シアター)で有名なハリウッド・ハイランドの敷地内にあるLoews Hollywood Hotel。
このホテルは、これまで「ルネッサンスホテル」として知られていたが、キャリア・フェアの開催当日である16日(土)にLoews Hollywood Hotelとして新装オープン。
ここで、朝から夕方まで丸1日を費やし、大規模なリクルーティグイベントが開催された。
3箇所での同時開催ということで出展各社が分散した為か、LA会場は出展ブースが昨年よりはやや少な目であった。
この日LA会場で出展していたVFXスタジオは、
Walt Disney Animation Studios
ILM
Sony Pictures Imageworks
Method Studios
Stereo D
PIXOMONDO
MPC
LEGACY3D
などであった。
■VFX業界にもグローバル化の波、LAの求人は減少傾向に
特に昨年はブースを構えていたRhythm&Hues Studios, Digital Domainの地元の大手2社の姿が見られなかったのは意外と言えば意外であった。VFX業界はグローバル化の波により、ロサンゼルスでの求人が減少傾向にあり、この2社はLA以外の制作拠点のリクルートに力を注いでいる事が容易に伺えた。
一方、LAに拠点を持たないにも関わらず出展していたMPCのブースでは、ニューヨーク、ロンドン、バンクーバーの制作拠点での採用を前提とした、幅広いリクルートを行っており、ここにもグローバル化の影響が色濃く見られた。
■iPadでデモリールをプレゼン、ILMなど人気プロダクションには長蛇の列
このように、出展社数は昨年よりも少なかった半面、参加者の出足は昨年よりも好調だったように思う。参加者はVFXスタジオで働いているフリーランサーに交じって、この6月に卒業したばかりの学生の姿も多く目立っていた。
各ブースでは、レゾメやデモリールを手にした参加者らが、リクルーターと面談しながら売り込みに熱が入っていた。中には、iPadやスマートフォン等でデモリールを見せている学生の姿も見られた。
特にILMやWalt Disney Animation Studios等の人気スタジオのブースの前には、文字通り長蛇の列が続いており、リクルーター達はその対応に大忙しだった。
この日はVES主催のイベントという事もあり、各ブースでは左側の列が一般参加者、右側の列が「VES会員窓口」として会員優先の配慮もなされていた。しかし、実際に蓋を開けてみると、右側はガラガラ(笑)。左側だけに長蛇の列が出来ており、結局空いている右側に誘導される姿が見られた。つまり、それだけ一般の参加者が大多数を占めていたという事だろう。
このように大盛況の下に終了したVESの「VFXキャリア・セミナー」だが、来る8月に開催されるSIGGRAPH2012でも、機器展のブースやジョブ・フェアーにおいて、ワールドワイドなリクルーティングが行われる予定だ。海外をめざす皆さんは要チェックであろう。
筆者も、SIGGRAPH期間中の8月8日夜、日本からの参加者の方を対象に、現地で日本語によるセミナー「ハリウッドVFX業界就職セミナ-」を開催予定である。
長蛇の列のILMブース
SPIブースも人気
会場となったホテル
会場で配布されていた資料