【NAB Show 2013】「Technology Summit on Cinema」速報(2) 世界の70%超がディジタルシネマに〜映画館向け機材ビジネスは価格競争時代へ〜

2013.4.8 UP

カラゴシアン氏

 Technology Summit on Cinema初日の6日、業界を長くウォッチしている米MKPE Consulting社のMichael Karagosian氏(=右写真)がディジタルシネマの展開状況を報告した。
 報告によれば、全世界約12万3000スクリーン中8万9000(72%)がディジタル化されたという。地域毎の内訳は、北米3万6000、欧州2万5000、アジア・太平洋地域2万1500、ラテンアメリカ4900、中東・アフリカ1600となっている。ディジタル化率が最も高いのは北米で85%、ついで欧州の67%で、アジア・太平洋地域が64%と僅差で続いている。ラテンアメリカは49%、中東・アフリカは16%で今後の伸びが見込まれる。(映像新聞 論説委員/日本大学 生産工学部 講師 杉沼浩司)

■VPFがほぼ終了 「最良の時は過ぎ去った」
 米国では、VPF(バーチャル・プリント・フィー:ディジタル化のためのスタジオから映画館への資金援助)がほぼ終了しており、今後のディジタル化については懸念もされている。ただし、Karagosian氏はVPF以外の支援機構があることを示唆していた。
 ディジタルシネマ関連の機器ビジネスは「最良の時は過ぎ去った」とKaragosian氏は見る。購入者(映画館)は、これまでの機能・信頼性重視から簡便性・経済性重視へシフトしており、これは「コモディティ(汎用品)化となった事を意味する」(同)としている。
 ディジタルシネマの映画館向け機材ビジネスは、中南米、中東・アフリカなどに成長の余地は残されているものの、急速に価格競争化してゆくという暗い見通しとなった。

#interbee2019

  • Twetter
  • Facebook
  • Instagram
  • Youtube