【NAB SHOW 2013】パナソニック　ダブルエンコード記録のP2カメラ「AJ-PX500G」とレコーダー「AJ-PD-500」を出展　

　パナソニックは、2013NABショーにおいて、マスター用とファイル伝送用の異なるレートを同時に記録できるP2カメラ「AJ-PX5000G」とレコーダー「AJ-PD500」を公開する。SDカードのファームファクター（ハードウエアの形状や大きさの規格）を採用した「マイクロP2」のカードスロットを初めて標準装備した。同カード2タイプも発表する。Wi-Fiなどネット環境が拡充する中で、ニュースなどの撮影素材をより効率的に伝送、オンエアできる製品として注目されそうだ。

■AVCウルトラ対応　プロキシモードはMOV形式採用も検討
　「AJ-PX5000G」は、同社初の2/3インチ3CMOS搭載P2カメラ。パナソニックの最上位コーデック「AVCウルトラ」に対応している。
　1080p／1080i／720p、AVCイントラ50／100／200の記録が可能（200はオプション）。イントラ100で10ビット1080プログレッシブ信号をフルラスターで記録できる。より小さいファイルサイズで10ビット4:2:2サンプリング記録ができるAVCロングG（25／50）にも対応している。
　P2カードスロット2基とともに、「マイクロP2」のカードスロット2基を標準搭載。P2カードにはイントラ100／50とロングG6（6Mbps）の異なるコーデックの映像を同時に記録できるダブルエンコード機能を搭載することが特徴だ。マイクロP2にもロングG6が同時記録できる。ロングG6はフルHDのプロキシという位置付けになる。プロキシのモードはMOV形式も検討している。

■2枚のP2カードにサイマル記録
　ニュース取材の際には、まずロングG6のフルHDファイルをネットワークで本局に伝送し、その後、イントラ100もしくは50のマスターファイルを送り、置き換えるといった運用が可能だ。また同カメラではP2、マイクロP2各2基のスロットの2枚のカードにそれぞれ同じ映像を記録するサイマル記録も可能。撮影素材のバックアップとして活用できる。
　放送局の中には、カメラと、AVCHD記録のSDメモリーカードレコーダー「AG-HMR10」（パナソニック）、デッキを組み合わせて、ファイル伝送素材はSDメモリーカードに、マスター素材はテープという運用をしているところがある。PX5000Gは、このシステムを1台にまとめたといえる。
　CMOSにおいても、スキャン速度を高めるなどフラッシュバンド対策を施し、暗部でも鮮明な映像を実現している。
　ハーフラックサイズのレコーダー「AJ-PD500」もPX5000Gと同スペックの記録機能を持つ。P2、マイクロP2カードスロットも各2基搭載。多様なフィールド制作ニーズに対応する。
　マイクロP2カードは、32ギガバイト、64ギガバイトの2タイプを発売する。SDカードと同形状だが、P2カードの技術が盛り込まれている。従来からのP2製品ユーザーに向けたアダプターも用意する。

■AVCイントラ100形式で1080P10ビット対応
　P2HDレコーダー「AJ-PD500」は、マイクロP2カードにコーデック「AVCウルトラ」シリーズを収録する。またP2HDデッキとして初めて、AVCイントラ100形式で1080Pを10ビットフルラスター記録できる。
　「AVCロングG」と「AVCプロキシ」が標準対応で、高画質マスターに適した「AVCイントラ200」と「AVCHD」再生を選択できる。ネイティブ1080／24p記録と1080／ 24psF入出力、4chAES／EBUと2chのアナログ音声入出力に対応する。
　マイクロP2カードスロットは2基。プロキシやメタデータ記録、AVCHDの再生用にSDスロット1基とP2スロット2基も用意した。12Vバッテリーで稼働し重量は約3.5キログラム。フィールド制作にも対応する。
　さらに直観的に操作できるジョグダイアルと3.5型液晶ディスプレーを搭載。HD-SDIカメラからの入力でフル解像度10ビット映像を記録し、外付けHDDにデータをバックアップ可能。USB3.0およびモニター出力用のHDMIポートを搭載する。米国価格は1万4000ドル未満を予定。

■メディアコンポーザーでネイティブ編集可能に
　また、アビッド「メディアコンポーザー6.5」用プラグインソフトにより、AVCウルトラを編集工程で活用できる。
　「AJ-PS001」はAVCプロキシのリリンク機能を有効にし、インポートしてネイティブ編集できる。「同002」はAVCイントラ100／50を、「同003」はAVCロングGをエクスポートする。「同004」はインポート用。
　001と002は6月にリリースし、米国価格はそれぞれ199ドル、149ドル。003と004は10月発売。
　スタジオカメラ「AK-HC3800」は、ファームウェアのアップグレードで720／59.94出力に対応。リモートコントロールパネル「AK-HRP200」とCCU「AK-HCU200」間のIPコントロールを可能にする。