【Pre Inter BEE 2013】コスミックエンジニアリング 可搬型HD番組制作支援システムを出展 改造車登録不要で最大6カメオペレーション可能な中継伝送車に搭載し初披露
2013.11.11 UP
SCA-SP4
LDN-M30SS
コスミックエンジニアリングは、「地域密着コンテンツ集配信の橋渡し役 – 更に磨きをかけました!」をキーワードに、運用シーンの常識を覆す中継・番組制作・送出業務効率化に向けた様々な製品提案を展開している。11月13日から15日まで、千葉・幕張メッセで開催されるInterBEEの自社ブース(ブース番号:ホール7 / 7204)では、最新の可搬型HDTV中継伝送システムをハイエースや軽自動車ライトバンに車載してオペレーションシーンを提案。予算や中継・収録プランに応じたシステム構築が可能で、操作のし易さが特徴。また、光ファイバー伝送システムカメラ用アダプタ、ラウドネスメーターの新製品も発表する。
(上写真はハイエース中継伝送車)
■目玉は新・可搬型HD番組制作支援システム
昨年、会場で大きな反響を呼んだ、可搬型HD番組制作システム「キャリー」。地上波の地方局やCATV事業者を対象にしており、フルHDTV中継車として運用が可能。今回は、「キャリー」をミニバンに搭載し、最大6カメのオペレーション可能なハイエース中継伝送車として展示。様々な中継・収録環境に応じた画期的なオペレーションプランを初披露する。
キャリーは中継伝送支援システムとして特許も申請している。基本コンセプトは中継専用車ではなく、あくまでも中継伝送システムだ。廉価でコンパクトになったスイッチャをはじめ、VE、音声機能をミニラックに収納し、ワンマンコントロールを可能にしている。
通常の軽ライトバンやワンボックス、ハイエースクラスの車両に軽微にセッティングして運用でき、改造車検登録の必要がない。セッティングした車両に4台のカメラを搭載し、さらに4名の中継クルーが乗車可能。車載でのオペレーションに留まらず、取り外して現場でシステムをオペレーションできる。車両は普段、通常使用できるうえ、システムはスタジオサブとして使用することができるため、運用効率が高い。自社光ファイバーや、免許のいらない無線伝送システムとの組み合わせで最終的に局舎の受信設備や送出設備などへそのまま情報を提供できる。
■ENGカメラ、業務用カメラなど既存所有カメラがシステムカメラに
コスミックエンジニアリングは今回、システムカメラアダプタのSCAシリーズ新機種「SCA-SP4/BU4」を発表する。SCAシリーズは、システム運用ができないレコーダ内蔵のHDカメラに装着することで、光カメラケーブルを使用したスタジオカメラ仕様にできるアダプタ。 ENGカメラ、業務用カメラ、小型ハンディビデオなどがスタジオや屋外中継に使用できる。
システムカメラアダプタのSCAシリーズとカメラを現場に持ち込みむことで、 現地から局舎まで自社の回線によって、 収録映像をリアルタイム伝送できる。
「中継専用カメラは通常でも不足しがちだとうかがいます。緊急時には、カメラアダプタとドッキングさせて現場出動ということもあるのではないでしょうか」と話すのは、 株式会社コスミックエンジニアリングの営業部門 営業技術部の中井敦史部長だ。現行のSCAシリーズは発売開始から2年ほどで100台以上が販売されている。中井氏は、「スイッチャ側はリモートで施設(局舎)からカメラ操作を行う構成も可能です。今までの固定した運用概念とは異なる新たな活用方法として、さらに広く提案していきたい。レンタル会社にも導入してもらうよう提案をしています」という。
今回新たに発表するSP4では、3G-SDI、高フレームレートの23p/24pフォーマットにも対応。マルチカメラオペレーションに必須の機能とされるインカム音質もさらに向上している。さらに、ベースユニット側に様々なシステム設定や通信監視機能を搭載した。
「地デジは放送開始して既に10年目に突入しました。キー局・準キー局における機材の更新時期もにらみながら機能強化を加えています。カメラを選ばないので、古いカメラでも十分対応でき、最新の機種と一緒にマルチカメラで運用できる。そのため、地上波局の既存の資産を有効活用できる点も特徴です」(中井氏)とSCAシリーズの利点を強調する。
■ラウドネス管理の在り方を追求した実機デモ
本格的なラウドネス機能を含む音声総合管理の要件を満たすLDN-M30シリーズは、ポータブル型から3RUラックマウント型まで3機種(LDN-M30SS/M30Sa/M30La)が揃う。展示ブースでは、多チャンネル同時監視可能なラウドネスロガーシステム(オプション)と共に実機展示する。
LDN-M30シリーズは、ユーザーが見慣れているVUメーターとラウドネスメーターなど、確認したい数値メーターを4画面でカスタマイズして表示できるのが、大きな特徴。最後にスピーカーで音を聴いて、制作側が思うような数値になっているかを確認して仕上げられる。音の管理はCATV事業者側のほうが、課題が多いという。特に地上波番組と自社のコミュニティチャンネルで音量差が出てしまう場合がある。本製品はそういった番組制作支援に繋がるツールとして期待される。
ラウドネスシステムは、“数値はおさえるがあまりに、理想の音が生成できない”という声をよく耳にする。平均値にこだわるあまりに音の強弱に疑問符が付く。ラウドネスは数字で決まるが、その間の変動はどうみたらいいかという問い合わせも多いという。
「補正することが目的のラウドネスコントローラーが当初は出回ったのですが、音を加工してしまうため、上流から思った音になっていないという懸念が上がっています。運用から1年近く経過したラウドネスですが、どういう運用がのぞましいのかという部分、まだまだ市場を掘り起こす材料と課題がでています。これからも注力を注いで使い方にあったアラート製品を開発していこうと思っています」(中井氏)
■国内120件以上の実績を誇る3Dキャラクタージェネレータシステム「PX3D」
同社が開発している、最大6レイヤーまで対応できる3Dキャラクタージェネレータシステム「PX3D」は、ライブで複数レイヤーを独立レイヤーとして送出ができる唯一の機能を持つ。同社はPX3Dのアニメーション制作機能を充実させた次世代モデルと、中継伝送車に搭載可能な簡易バージョンを発表する予定だ。
【コスミックエンジニアリング】
出展ブース:展示ホール7:ブース番号7204
【Pre InterBEE 2013】では、11月13日から15日までの3日間、千葉・幕張メッセで開催されるInter BEE 2013の出展企業の出展内容をお伝えしております。
SCA-SP4
LDN-M30SS