【プロダクション】R&H 7月から新体制に ダウンサイズに伴う余剰機材オークション SIGGRAPH期間中に実施
2013.7.11 UP
Tiger Asset IntelligentのR&H オークションサイト
■7月から新体制のR&H 規模は1/4にダウンサイズ
米国西海岸に拠点を置くVFXスタジオR&H(リズム・アンド・ヒューズ)が、7月から新体制によるスタートを切った。会社の規模は以前の4分の1という大幅なダウンサイズを余儀なくされており、それに伴って余剰となった機材を販売するオークションを実施するという。
長年、独立系のVFXプロダクションとして活躍してきたR&H。昨年4月23日には創立25周年を迎え、同社がリアルな虎のCGを手がけた映画「Life of Pi」(2012年)は、アカデミー特殊効果賞を受賞するなど、映画VFXの最前線で活躍していたが、今年2月、経営破綻による会社更生法による倒産手続きチャプター11の適用を受け、3月には米Prana Studiosに3000万USドル(約30億円)で売却される形で存続が確定した。カナダBC州を中心とするTAXインセンティブの影響によりロサンゼルスでのVFX受注件数が激減した余波を受けたことが倒産の原因とされている。7月からの新体制では、北米175人体制(ロサンゼルス150人、バンクーバー/カナダ25人)で再スタートしている。
■SIGGRAPH期間にオンライン競売 23日には内覧会を実施
米国では、ポストプロダクションやVFXスタジオが閉鎖その他の理由でハードウェアを売却する場合、専門のオークション会社に委託する場合が多い。今回も委託によるもので、オークションは、米競売会社Tiger Remarketing Servicesの主催で実施される。
今回のオークションで対象になるのはR&Hが保有しているハードウェア等の一部。不要になった機材や、社外にアウトソース可能なフィルムI/O部門関連機材、そしてオフィス家具などだ。
オークションはまず、7月23日(水)にR&Hで内覧会が行われ、翌24日から30日の間にオンラインによって競売が行われる。但し28日(日)のみ休場になるという。SIGGRAPHの期間中に開催されるということもあるので、興味のある方は是非チェックしてみると良いだろう。もしかしたら、思わぬ掘り出し物に巡り会えるかもしれない。
クレジット・カードによって決済されるので、カードの準備が不可欠だ。場合によっては、引き落とし額が日本円で100万円以上と大きくなる場合も考えられるため、主催者は「アカウントが防犯上の理由でブロックされないよう、カード会社へ事前連絡しておくこと」を推奨している。落札した品は、引き取り、梱包材の準備、郵送の手配などは、購入者の自己責任となる。
競売によって得られた収益は、管財人によって社内外の負債処理に充当される。
オークションの詳細は、Tiger Remarketing Servicesのホームページで紹介されている。
【主な対象機材】
<コンピューター関連機器、電話機など>
Computers featuring: Dual Core AMD 5600 CPU (2.8GHz), Dual Core AMD 4200 CPU (2.1GHz) & Dual Core AMD 4800 CPU (2.6GHz) Processors with Creative Audigy SE Audio Card, GeForce GT220 1GB DDR3 Graphics Cardなど160台、Acer, HP & Viewsonic, 24-17" Flat Panel Monitorsなど230台、Sun & SGI GDM Monitorsなど60台、Polycom IP330 Phones など400台
<オフィス家具>
Herman Miller Aeron Chairs 320個、Jerker Desks180個、Fredricks Desks120個、Herman Miller Large, Medium & Small Tall Chairs200個, File Cabinets & Book Cases275個、Desks with Returns100個ほか
<フィルムI/O関連機材>
2006 Film Light North Light Scanner, Arri Arrilaser Film Recorder, Animation Cameras with Slides2台, Film & Magazinesほか
(鍋 潤太郎)
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