【NEWS】朋栄 「FT-ONEの開発」が日本映画テレビ技術協会 最高賞を受賞

2013.10.28 UP

経済産業大臣賞を受賞した朋栄の冨田氏が受賞の喜びを語った。手前は、受賞対象のFT-ONE
日本映画テレビ技術協会  島谷会長

日本映画テレビ技術協会 島谷会長

経済産業省商務情報政策局文化情報産業関連課課長 佐合達矢氏

経済産業省商務情報政策局文化情報産業関連課課長 佐合達矢氏

米国で同製品を導入したCBC SportsのSVP  ケン・アーガード氏

米国で同製品を導入したCBC SportsのSVP ケン・アーガード氏

会場は関係者で埋め尽くされた

会場は関係者で埋め尽くされた

 10月23日、東京港区の六本木アカデミーヒルズにおいて、一般社団法人 日本映画テレビ技術協会主催の「MPTE AWARDS 2013」第66回表彰式が開催された。最高賞の日本映画テレビ技術大賞となる、経済産業大臣賞には「フル4K解像度による高速度カメラ「FT-ONE」の開発」冨田光浩、松永功介(朋栄)が受賞した。

■島谷会長「技術を使う人の感性や発想を大切に」
 授賞式の冒頭、日本映画テレビ技術協会 会長の島谷能成(東宝代表取締役取締役社長)氏が登壇し、次のように挨拶した(上写真。手前はFT-ONE)。
 「この会の最大の個性は、同じ映像を扱っていながら、年々その裾野が拡大・結合し、ずっと変化しつづけている点にあると思う。我々を取り巻く状況が変わっていく中で、一番大事なのは、情報の共有や、人と人との交流など、さまざまなコミュニケーションだ。それぞれ別々の分野で活躍するみなさんが、年に何回か合流し、いろいろな形で交流することで、この時代の流れを我々の力でひっぱっていくということが可能になっていくのではと思う」
「技術は重要だが、結局その技術を使っていく人の感性や発想といった部分を大切にしながら、協会がいつまでも元気に、みなさんとともに歩んでいけることを願っている。本日のMPTEアワードがその一歩になることを願う」

■経産省 佐合課長「芸術性を感じる映像。東京オリンピックでも見たい」
 経産産業大臣賞は、技術開発賞と映像技術賞の中から、最も優秀な技術に贈られる。茂木敏充経済産業大臣の代理として、経済産業省商務情報政策局文化情報産業関連課課長 佐合達矢氏は、経済産業大臣賞を受賞した「フル4K解像度による高速度カメラ「FT−ONE」の開発」に対して、次のように祝辞を述べた。
 「FT−ONEは世界初のフル4K、ハイスピードカメラ。その実用性、技術の独創性が高く評価された。経産省も選考委員会に参加し、FT−ONEのデモ映像を拝見した。現場をそのまま切り取ってきたようなリアリティと、芸術性を感じた。こうした技術の力がまさに、日本の経済を支える根っこにある。東京オリンピックが2020年に開催される。これを契機に関心が高まっていくと思う。また、一スポーツファンとして、 オリンピックの競技においても、普段、肉眼では見られない映像を、こうした優れた技術で見られることを今から期待をしている。日本の技術の粋を世界に示す機会であり、また優れた技術がコンテンツの中身にもさらに付加価値を与える。経産省としては、本国会を成長戦略実行国会と位置づけている。その重要な柱の一つがクールジャパン戦略だ。日本のコンテンツが世界に羽ばたくためにも、映像技術がその根っこにあるということが強みになるのではないか。今後いっそう、ますます技術の研鑽に力を注いでいただきたい」

■米CBC Sports アーガードVP「4KとHFRは最強のコンビ」
 米国で同製品を導入したCBC Sportsのオペレーション・アンド・プロダクション・サービス部門エグゼクティブ・バイス・プレジデントのケン・アーガード氏(Ken Aagaard)氏のコメントがビデオで紹介された。アーガード氏は、次のように述べた。
 「2-3年前からフットボールやバスケットなどで、足が線の内側になるか、3ポイントシュートかを判断するのに、映像を拡大してきたが、画像の破綻で見たいものが見えなかった。4Kが出てきたときに、『この解像度!』と感じた。我々が行った4Kのテストでは、信じられないほどの反響があった。特に他の放送局は大変な興味を持っていた。HDがそうであったように、4Kも徐々に発展していくだろう。4Kと同じく重要になるのが、ハイフレームレートである。FT-ONEの最大の利点は、4Kと功フレームレートが実現できたことだった。ズームしたときに足や手のブレがないのは、ハイフレームレートを実現したFT-ONEの利点であった。4Kとハイフレームレートは最強のコンビネーションだ」

■朋栄 冨田氏
 受賞の挨拶に立った冨田光浩氏は、前日に自身が勤続25年の表彰をされたことを披露し、「その翌日にまた、今回の受賞ができたことは望外の喜び」と述べた。また、FT-ONEの開発のねらいとして「他にないものをつくろうという挑戦の気持ち」で携わってきたと述べた。また、米国のスーパーボウルで使用されるなど、多方面で実績を重ねてきた高く評価されていることを挙げ、「今後とも良い製品を開発して、世界で使っていただき、日本の経済発展に貢献できるよう努めていきたい」と話した。


■新会友および各賞の受賞者(敬称略)
 【新会友】木下良仁(東京現像所)、金山芳和(金山プロダクション)、岸本義幸(東京現像所)
 【柴田賞】野原恒典(日本放送協会)
 【小倉・佐伯賞】上原美雄(NHKメディアテクノロジー)、戸田桂(映画研究者)
 【技術開発奨励賞】「LEDキャスターライトの開発」廣瀬蓉子(テレビ朝日)、東芝ライテック、東芝エルティーエンジニアリング
 【技術開発賞】「ミリ波モバイルカメラの開発」ミリ波モバイルカメラ開発グループ・代表 中川孝之(日本放送協会 放送技術研究所)、「フル4K解像度による高解像度カメラ『FT-ONE』の開発」冨田光浩(朋栄)、松永功介(朋栄)
 【映像技術賞 審査員特別賞】[撮影]「外事警察 その男に騙されるな」相馬和典(NHKメディアテクノロジー)、[撮影]NHKスペシャル「わが子へ 〜大川小学校 遺族たちの2年〜」涌井洋(日本放送協会)、[照明]「外事警察 その男に騙されるな」鈴木岳(NHKメディアテクノロジー)、[音声]プレミアムドラマ「命のあしあと」吉野桂太(NHK 宮崎放送局)、[編集]NONFIX「東京午前4時 〜私の知らない ワタシの街〜」高橋彰芳(ビデオ・ペディック)[アニメ]こねこのおるすばん(ティー・ワイ・オー ドワーフ事業部)、[OAG]気象数値予報モデルデータの高度な解析と可視化による新たなCG表現(テレビ朝日ウェザーWS/BOLT 開発スタッフ一同)
 【映像技術賞】[撮影]「わが母の記」芦澤明子、[撮影]夢の扉 特別編「20年後の君へ」淺野太郎(TBSテレビ)、[撮影]NHKスペシャル「最期の笑顔 〜納棺師が描いた東日本大震災〜」、[撮影]「ローカル線の魅力 〜三岐鉄道・北勢線」川原和征(名古屋テレビ放送)、[照明]「わが母の記」永田英則、[照明]土曜ドラマスペシャル「負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂〜」第一回 橋本勝(日本放送協会)、[録音]「天地明察」小野寺修、[美術]2012大河ドラマ「平清盛」デザインチーム 山口類児、小味山潤、神林篤、伊達美貴子(日本放送協会)、[編集]愛と誠 山下健治、[アニメ]アシュラ 「アシュラ」CGアニメーション制作チーム、[VFX]宇宙兄弟 オムニバス・ジャパン CG・VFX制作チーム、[OAG]「SmaSTATION!!」の高度なバーチャル演出 出口智浩、中村敦、福田隆之(テレビ朝日)、池上隆、齋藤直純、葛原健治、占部三四郎、羽田野英治(テレビ朝日クリエイト)
 【日本映画テレビ技術協会 栄誉賞】武田純一郎(アイカム)
 【経済産業大臣賞(日本映画テレビ技術大賞)】フル4K解像度による高速度カメラ「FT-ONE」の開発 冨田光浩、松永功介(朋栄)
(かっこ内はエントリー時の所属)

日本映画テレビ技術協会  島谷会長

日本映画テレビ技術協会 島谷会長

経済産業省商務情報政策局文化情報産業関連課課長 佐合達矢氏

経済産業省商務情報政策局文化情報産業関連課課長 佐合達矢氏

米国で同製品を導入したCBC SportsのSVP  ケン・アーガード氏

米国で同製品を導入したCBC SportsのSVP ケン・アーガード氏

会場は関係者で埋め尽くされた

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