【Inter BEE 2018】DCEXPOでSIGGRAPH 2018 CAF作品集上映会 開催  世界最先端のCGアニメーションを一挙上映

2018.10.29 UP

SIGGRAPH CAFの上映会場。大型スクリーンで世界の優れたCG映像を見ることができる

SIGGRAPH CAFの上映会場。大型スクリーンで世界の優れたCG映像を見ることができる

SIGGRAPH Asia 2018のチェアを務める 安生健一氏

SIGGRAPH Asia 2018のチェアを務める 安生健一氏

SIGGRAPH Asia 2018のウェブサイト

SIGGRAPH Asia 2018のウェブサイト

 米国のCGに関する学会、ACM SIGGRAPHが主催するSIGGRAPHの催しの一つCAF(コンピューター・アニメーション・フェスティバル)の作品集がInter BEE 2018と共催するDC EXPOにおいて上映される(11月15日、「『SIGGRAPH2018 Computer Animation Festival』 入賞作品上映及び『SIGGRAPH Asia 2018 東京』の紹介」、国際会議場201A会議室、15:30〜16:30)。上映とともに、今年12月4〜7日、東京有楽町の国際フォーラムで開催されるSIGGRAPH Asia 2018の紹介も行う。

■CG、インタラクティブ技術に関する国際的催しSIGGRAPH
 SIGGRAPHはCG、インタラクティブ技術に関する学会的な要素に加え、CGに関する最新の機材、ツールが一堂に集まる展示会、さらに、最新のCGアニメーションの上映会であるCAFや、研究・開発過程の技術や製品を紹介するE-Tech(Emerging Technologies)と、学会、展示会、上映会、技術交流といったさまざまな要素が融合した催しだ。

 こうした多彩な要素を持つ催しであることから、参加者は、大学や企業の研究/開発担当者や学生といったアカデミックな分野だけでなく、ハリウッドをはじめとした世界のCG、VFXアーティストやゲーム開発者などのエンターテインメント業界のクリエイターや、自動車メーカーや建築デザイン関係、化学・教育関係の技術者など、CGをキーワードに幅広い領域の人々が集まる催しとなっている。領域を越えた人々がCGという共通言語で新しい表現を語り合うという点がSIGGRAPHの大きな魅力の一つだ。

 IT企業の参加も積極的で、マイクロソフトやアドビシステムズなどが高度な画像処理技術に関する研究論文を多数発表しており、ノンフォトリアリスティック・アニメ、VRやAR、リアルタイムCGやコンピュテーショナル・フォトグラフィー、GPUなど、デジタル映像表現に関する技術については、ブームが生まれる前からSIGGRAPHで多くの論文が発表され、議論が交わされているという例も少なくない。

■世界から集まるCG作品を90分に凝縮
 CGに携わる多くの人を魅了するSIGGRAPHの催しの中でも、毎回参加者が楽しみにしているのがCAFだ。世界中から優れたCGアニメーションの応募の中から、審査を経て選び出された屈指の映像作品を90分の枠に編集して上映する上映会「Electronic Theater」、ハリウッド映画の最新VFXを堪能できるだけでなく、ストーリー展開やキャラクターの表情や動作などの表現力から生み出される感情表現、自然描写のダイナミズムなど、それぞれの作品ごとに個性が際立ったものが集まる。
 
 このCAFで上映された作品の中から選ばれたものが、今年のInter BEE会場で開催されるDCEXPOでも上映される。上映会のアジア地区管理担当者であり、12月に東京・有楽町で開催されるSIGGRAPH Asiaのカンファレンス・チェア(議長)でもあるOLMデジタル技術顧問の安生健一氏に話を聞いた。「管理担当者」とは、SIGGRAPHからデータを預かり、上映から返却までの管理を担当する役割だ。世界中から集まった最先端の映像の著作権を守るため、他の場所で上映をするときには、信頼できる管理責任者を任命している。安生氏は今回のDCEXPOのセッションで上映会用の「管理責任者」として上映コンテンツを預かるが、作品紹介については、シーグラフ東京チャプターの代表である安藤幸央氏が担当する。

■SIGGRAPH Asia 2018が12月に東京で開催
 安生氏は長年、自らCG表現の研究を進めるとともに、研究・開発者の国際コラボを推進してきた。SIGGRAPHでも、髪の毛のアニメーションに関する論文やノンフォトリアリスティックアニメなどさまざまな発表をしている。SIGGRAPHやEUROGRAPHICSなど、積極的な国際研究交流により、欧米のCG研究者との交流も深く、SIGGRAPHにおいても厚い信頼関係を築いている。
 こうした長年の国際的な活動により、SIGGRAPH Asia 2018のカンファレンス・チェアと共に、今回のSIGRGAPH CAFの管理担当者に選ばれている。

 今回のセッションでは、上映会とともに、12月に東京で開催されるSIGGRAPH Asia 2018の説明も予定している。SIGGRAPH Asiaは毎年11~12月にアジア圏で開催されるSIGGPRAHだ。毎年、開催される都市が変わり、これまで日本のほか、中国、韓国、シンガポールなどでも開催されている。11回目となる今年、初めて東京で開催されることになった。会期は12月4〜7日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催する。日本開催は初回の横浜(2009年)、神戸(2015年)に続いて3回目。SIGGRAPHと同様、欧米を含めた世界から集まる論文やCAFなど各プログラムは、それぞれの第一線で活躍する専門家が審査し、高い水準の研究、作品を見ることができる。アジアを中心に世界中からエンジニア、アーティスト、学生が集まる。

■CG、VR、AR、AIが集まるクロスオーバーな催し
 安生氏は、このSIGGRAPH Asia 2018 のカンファレンス・チェア(議長)を務めている。初めて東京で開催される今年のSIGGRAPH Asiaについて、安生氏は次のように話す。
 「今回のSIGGRAPH Asiaの開催テーマはCROSSOVERです。CG、VR、AR、AIといった、最新技術に関する研究発表が国内外の研究者ならびに企業によって行われるほか、企業や大学によるこれらの技術の実用化に向けた展示デモ、業界最高クラスの CG/アニメ/映画作品を上映するElectronic Theaterなど、国際学会のカンファレンスならではの最新プログラムが行われます。多くの日本の大学・研究機関が発表を行い、参加者が最先端技術に対する知識を深め、国や地域を越えた人材交流の機会となることが期待されています」(安生氏)
 国際的な交流の場、さらに技術とアートの交流の場という意味でもまさにクロスオーバーな催しとなりそうだ。出展内容やセッションのプログラムなど、最新の状況について、今回のセッションでも紹介される予定だ。

 クロスオーバーな交流をまさに身をもって体現している安生氏。最近では、ニュージーランド・ウェリントンにあるヴィクトリア大学において、コンピューター技術を用いたデジタルメディアの起業を進めるプロジェクト「Computational Media Innovation Centre」(CMIC)の責任者を務め、日本とニュージーランドを行き来している。同プロジェクトからは、「DreamFlux」というARツール開発のスタートアップ企業が始動した。360度ビデオにCGオブジェクトとアニメーションをリアルタイムにシームレスに合成するツールをを開発している。日本企業との共同研究や出資にも応じるという。

 SIGGRAPH AsiaではこのCMICのプロジェクトも見ることができる。研究・開発の分野も今、グローバルな連携が進んでいる。同プロジェクトにも、日本の企業と海外の頭脳との橋渡しといった役割にも期待したい。

写真提供: ACM SIGGRAPH

SIGGRAPH CAFの上映会場。大型スクリーンで世界の優れたCG映像を見ることができる

SIGGRAPH CAFの上映会場。大型スクリーンで世界の優れたCG映像を見ることができる

SIGGRAPH Asia 2018のチェアを務める 安生健一氏

SIGGRAPH Asia 2018のチェアを務める 安生健一氏

SIGGRAPH Asia 2018のウェブサイト

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#interbee2019

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