【NEWS】4K60P、HDR/BT.2020対応の次世代ブルーレイ「Ultra Blue ray」規格が発表 年内にもプレイヤー発売へ
2015.5.14 UP
1月に米ラスベガスで開催したCESでパナソニックが技術展示したUHD Blu-ray対応予定プレイヤー
UHD Blu-rayのロゴ
■7月からメーカーライセンス開始
Blu-rayディスクの規格を策定する団体である「The Blu-ray Disc Association」(ブルーレイディスク アソシエーション、BDA)は5月12日、次世代Blu-ray「Ultra HD Blu-ray」(UHD Blu-ray)の規格化が完了したことを発表した。
規格化の経緯、動向についてはこれまでもメディアで紹介されており、今年のCESにはパナソニックがUHD Blu-ray対応予定としているプレイヤーを技術展示して話題となった。今回正式に発表された規格は、仕様を確立させたものになる。7月からメーカーにライセンスされる予定で、年内には消費者向けの対応製品が発売される。
■4K60p 10bit HDR対応
発表文では、映像の解像度は「UHD 4K TV (3840x2160)、10bitでハイダイナミックレンジ(HDR)とハイフレームレート(HFR)60fps」とし、色空間はBT.2020まで対応する。オーディオについての定義は「オブジェクトベースの音声フォーマットにも対応」までに留めているが、オプションでドルビーの「Dolby Atmos」やDTSのサラウンド規格「DTS:X」といった形式にも対応するとしている。
■HEVC 100Mbpsまで対応
コーデック形式はHEVC(10bit/ YUV=4:2:0)、最高100Mbpsまで対応。Ultra HD Blu-rayディスクはBDXLの3層メディアで、66GB(108 Mbit/s)をメインに3層で100GB(128 Mbit/s)までのメディアデータが格納できるとしている。
HDR方式Dolby Visionの色深度は12bitで、より広色域が持てるという特徴を持つ。しかしDolby Vision対応にはBDA側のHDRとは別にライセンスフィーがかかるため、Dolby Visionバージョンのタイトルソフトやサービスはプレミアムという位置づけになる可能性が高い。
■FOX作品はすべてHDRに
現在、BDAの会員は、シャープ、ソニー、東芝、パナソニック、日立、三菱、ドルビー、DTS、サムスンやLG、そしてウォルトディズニー、21世紀FOX、ユニバーサルスタジオ、ワーナーブラザースなど100社以上にも及ぶ。
コンテンツ制作側の反応として、ハリウッド業界でもUHD Blu-ray が必須とするHDR対応は不可欠なものとして広まっている。UHD Blu-rayを含め消費者側のUHD規格の策定を目的としたUHDアライアンスの代表でもある21世紀FOXのハンノ・バース最高技術責任者はNAB2015のパネルディスカッション(The Next Generation of Consumer Experiences is NOW)で「今後、21世紀FOXからリリースする作品はすべてHDR対応となる」と語っている。
ブルーレイディスク アソシエーション(BDA)は、ハイビジョン映画、ゲームソフト、写真、その他のデジタルコンテンツを保存可能な光ディスク規格の策定や普及促進を目的に活動しており、ドルビー、ヒューレット・パッカード、日立製作所、インテル、LG電子、三菱電機、オラクル、パナソニック、パイオニア、フィリップス、サムスン電子、シャープ、ソニー、TDK、テクニカラー、20世紀フォックス、ウォルト・ディズニー、ワーナー・ブラザーズを始め、約140社が加盟している。
1月に米ラスベガスで開催したCESでパナソニックが技術展示したUHD Blu-ray対応予定プレイヤー
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