【Inter BEE 2015】朋栄 Inter BEE事前説明会を開催-45周年を迎えテーマを一新 4K/8Kに対応した12G-SDI対応ルーティングスイッチャ「MFR-3000GB」を参考出展
2015.11.2 UP
冒頭の挨拶で国内・海外の状況とInterBEE2015出展コンセプトを説明する同社代表取締役社長の清原 克明氏
同社45周年のロゴ。プログレスバーをイメージ
「MFR-3000GB」システム概念図
InterBEE2015で注目すべき12の製品
朋栄(本社:東京都渋谷区)は、2015年10月30日、同社本社において、11月18日(水)から20日(金)に幕張メッセで開催されるInterBEE 2015事前説明会を開催した。同社ブースでは(ブース番号:4208)、創立45周年を迎える今年はテーマを一新し、「FOR-A World of Possibilities(無限の可能性に向けて)」を新たなテーマとしてライブプロダクションで活躍する各種ベースバンド機器、テロップ、バーチャルなど演出を彩る各種CG制作機器、制作ワークフローを支える各種ファイルベース機器、さらには、これからの映像制作環境に欠かせないVoIP機器まで、多数の新製品、ソリューションなど各種4K/8K対応製品群を紹介・展示する。(上写真はファイルベース連携IP伝送装置「MXR-200IP」を使用したワークフロー展示)
■ 国内では、ファイルベースシステムを中心とした報道制作システムを多数納品
冒頭の挨拶で代表取締役社長の清原克明氏は、同社の最近の国内および海外の動向について説明が行われた。9月決算については、「現時点で正式な決算ではない」と前置いた上で、「売上高は計画を若干下回ったが収益は増益となりほぼ予定通りの計画となる見込み」(清原氏)と説明した。また、国内のビジネス動向については「名古屋テレビ放送向けファイルベースの報道制作・オンエアサーバシステムを筆頭に、ファイルベースシステムを中心とした報道制作システムを地上波局から数多く発注を頂いている」(清原氏)という。また、報道サブシステムや制作サブシステムの話もあり、「1年から2年後までには具体化していくと考えている」(清原氏)と説明した。
その他、イメージディバイス社の4K中継車やデジコン社の4K対応中継車にも同社製品が多く採用され、またアーカイブシステムについても「札幌テレビ放送をはじめとして数々の案件を担当した」と1年を振り返った。
なお、4K高速度カメラ「FT-ONE」についても「Channel 4K」をはじめとしてライブスポーツの分野で多く利用されており、「4Kの世界ではフラグシップ製品となっている」と語った。
海外状況については、同社のHANABIシリーズのビデオスイッチャ「HVS-2000」が好評であり、「このスイッチャを中心に自社製品の販売を伸ばしていく取り組みを行っている」と説明した。
■ 45周年を迎え新しいテーマのもと、次世代規格への取り組みを加速
同社では今年45周年を迎えるにあたり、今年のテーマを一新、「FOR-A World of Possibilities(無限の可能性に向けて)」を新たなテーマとして、2SI(2 Sample Interleave)/SQD(Square Division)/HDRといった4K/8K/HD規格や12G-SDI/HDMI 2.0/USB3.0といった物理インタフェース規格、SMPTE 2022/SDNなどのVoIP規格、HEVCを含むコーデック規格などの次世代規格への取り組みを加速していくという。清原氏は「各種規格に対応すべく積極的な製品開発を行い、ベースバンド・CG・ファイルベース・VoIPそれぞれの良さを取り入れbながら偏りなく取り組んでいくメーカを目指す」と今後の方針を語った。
■ 12G-SDIに対応したルーティングスイッチャ「MFR-3000GB」など「参考出展」や「InterBEE初出展」が目白押し
今回のInterBEEでの注目製品として、清原氏は次の12項目を挙げた。
(1) メインプレゼンテーション・スタジオサブシステム
(2) 4Kワークフロー展示
(3) 8K対応製品:ESG-8000/SCV-8000/MFRシリーズ
(4) 12G-SDI対応ルーティングスイッチャ:MFR-3000GB(参考出展)
(5) BT.2020対応アップコンバータ:URC-4000
(6) VoIPへの取り組み
(7) ファイルベース連携IP伝送装置:MXR-200IP
(8) LTO-7対応サーバ:LTS-70(参考出展)
(9) 高速度カメラ:FT-ONE-S、フリッカーコレクタ:FC-ONE(新製品)
(10) ビデオスイッチャ:HVS-2000
(11) マルチビューワ:MV-1200(参考出展)/MV-4200
(12) アドバンスト3Dクロマキーヤ(参考出展)
■メインステージにスタジオサブシステムを構築
今年のInterBEE2015のメインステージでは「FOR-A Navigation Stage」と題して、45周年を迎えた朋栄の取り組みを紹介する。メインステージには、スタジオサブシステムを構築し、ライブ制作を中心とした4Kソリューションを中心にプレゼンテーションを実施する。
■ 朋栄の4K関連製品を集めた壁面展示
4Kソリューション展示では、昨年に引き続き朋栄の4K関連製品を集めた壁面展示を行い、参考出展の LTO-7対応サーバ「LTS-70」や新製品のアップコンバータ「URC-4000」を含む4Kワークフロー展示を実施する。
■ 1つの筐体で4K/8Kに対応した12G-SDI対応ルーティングスイッチャ「MFR-3000GB」を参考出展
ルーティングスイッチャ「MFR-3000GB」は、12G-SDI(SMPT 2082)と3G-SDIの相互変換が可能なルーティングスイッチャでNHKと共同開発製品。InterBEE 2015に参考出展する。佐倉研究開発センター研究開発・製造統括本部 研究開発本部 SDR開発部開発第3グループ グループ長の秦慎一郎氏は、開発の経緯について「3G-SDIを4系統束ねて伝送する方法を12G-SDIで実現して欲しいという多くのユーザの声とNHKからの後押しから、MFR-3000をベースに開発することになった」と説明した。
「MFR-3000GB」は、入出力8スロットを拡張でき、SDIについては56系統まで拡張できる。また、最大の特徴は、12G-SDIと3G-SDIを混在できる点と、12G-SDIと3G-SDI×4系統を変換するGearBox機能を搭載し、SQDと2SIの相互変換も可能である点だ。それにより、「1つの筐体内で8Kと4Kシステムを別々に運用ができ、かつ12G-SDI出力機器や4K(2SI)出力機器等を入力し、統一したフォーマットで出力することができる」(秦氏)と説明した。なお、今回の事前説明会では実機展示がなかったが、会場では実機の展示を予定しているという。
■ VoIPへの取り組みと新製品のファイルベース連携IP伝送装置を紹介
同社のVoIPへの取り組みについて、同社取締役 兼 株式会社朋栄アイ・ビー・イー代表取締役社長 和田雅徳氏が説明を行った。同社として目指すべく方向性について和田雅徳氏は「2K/4K/8Kと進化していく中で多様化した解像度への対応やベースバンド、IPストリーム、ファイルなど何でも通せるインフラが重要になる。そこで、ベースバンドとファイル、IPストリームまで対応することを目指した」と説明した。そして、これらをサポートした新製品となるファイルベース連携IP伝送装置「MXR-200IP」を紹介した。
「MXR-200IP」は、2系統のHD-SDI入力と4系統のIP出力ができる。またIP伝送についてはファイルベースとの親和性のあるH.264とMPEG-2で伝送する。受信側では再圧縮せずにMXFファイル化が可能で、ノンリニア編集ソフトにて追いかけ編集が可能だ。なお、FEC(SMPTE 2022-1/2)機能もサポートする。
InterBEE2015では、メディアグローバルリンクスのブース(ブース番号:5512)と同社ブースを回線で結び、4KとHDの双方向IP伝送デモとベースバンド、ファイルベース、IPを融合させたワークフローを展示する予定だ。また、IP伝送機能を搭載したJVCケンウッド製カメラとの連携展示も予定しているという。
■充実の各ステージ展示内容
その他の主な出展内容は、以下の通り。
☆ カメラステージ
・「FT-ONE-S」
本体とカメラヘッドを分離して小型・軽量化したモデル。防塵・防滴仕様でより臨場感ある現場での撮影に最適なカメラ。
・「FT-ONE-OPT」
「FT-ONE」の光ファイバー搭載モデル。ベースステーションFT-1BSとの組合せにより映像信号、電源、コントロール、ゲンロック、インカム、送り返しなど運用に必要なすべてのケーブルを光ケーブル1本に集約。
・「FC-ONE」 <新製品>
カメラで撮影時に発生するフリッカーをリアルタイムに除去可能な画像処理装置。
・「ZE-ONE」
直観的なタッチパネル操作で、4K映像の中から任意のサイズで切り出しポイントを設定し、HDコンテンツとして出力することが可能。スポーツ中継のリプレイなどに最適。
☆ 8K関連
・「ESG-8000/4000」 [朋栄YEMエレテックス] <新製品・Inter BEE初展示>
日本放送協会との共同開発したYCbCr=4:2:2(10-bit)のFR-SHV信号に対応したテスト信号発生器。DG-SHV信号も出力可能。4K/HD信号発生器のESG-4000もご紹介。
・「SCV-8000」 [朋栄YEMエレテックス] <新製品・Inter BEE初展示>
8K信号の1.5G/DGと3G/DGの相互変換のほか、4K信号のLevel-A/B相互変換やSQD/2SIの相互変換も可能な信号変換器。
☆ ビデオスイッチャ・ルータ・マルチビューワ
・「HVS-2000 "HANABI"」
拡張性に優れた4K対応2M/Eビデオスイッチャ。3列コントロールパネルを新たに追加。スイッチャの性能を最大限発揮するためのさまざまなユニークな機能を搭載し、マルチフォーマット化により4Kライブ制作にも対応。
・「HVS-100/110 “HANABI”」
本体・コントロールパネル分離型モデルのHVS-100と、一体型モデルのHVS-110を用意するポータブルスイッチャ。オプションにて4Kにも対応。
・「GearLink」
システムを構成するビデオスイッチャや周辺機器をGUI画面上で一元的にコントロールするソフトウェア。GUI画面のレイアウトやボタンのカスタマイズが可能。
・「DSK-400」
4K(QFHD)対応デジタルスーパーキーヤ。3G-SDI入力12系統、出力8系統に対応。オプションのDSK-400CK搭載により、4Kクロマキーヤとしても使用可能。
・「MFR-3000GB」 <参考展示>
12G-SDIに対応したルーティングスイッチャを参考展示。12G-SDIと3G-SDIx4の変換機能も実装。
・「MFRシリーズ」 <ラインナップ追加>
システムの中核製品として柔軟に活用が可能なルーティングスイッチャ。HD/SDはもちろん、4K、8Kにも標準対応。最大256x256、128x128、64x64、32x32、32x16、16x16の各種サイズを用意。MFR-3000に追加可能なマルチビューワ出力オプションを初展示。
・「MV-4200/4210」 <新製品・ラインナップ追加>
3G/HD/SD/アナログ/PC信号の混在入力に対応、最大68入力、8モニタ出力が可能なマルチビューワ。フロントパネル、リモートソフトを標準装備。4K出力 (HDMI2.0b)にも対応。SDI x 8出力モデルMV-4210も初公開。
・「MV-1200/1210」 <参考展示>
SDIで最大12入力4出力。HDMIで最大12入力3出力。SDIとHDMI混在で最大16入力4系統6出力のモニタリングが可能なマルチビューワを参考展示。HDMI & SDI出力モデルMV-1200とSDIx2出力モデルMV-1210をラインナップ。
☆ プロセッサ
・「URC-4000 」<新機能追加>
HD映像をリアルタイムで4Kに変換できる超解像アップコンバータ。BT.2020色域変換機能を新たに追加。
・「FA-1010」
10系統のFS、カラーコレクタ、3G-Level A/B 変換や各種オーディオ変換機能を実装した多機能プロセッサ。
・「FA-505」
5系統のアップ/ダウン/クロスコンバータを1Uの筐体内に実装可能なFA-1010姉妹モデル(5入力5出力(2分配))。FS機能、カラーコレクタ等をすべてのチャネルに搭載。
・「FRC-9000」
オプションで4K(QFHD)にも対応したフレームレートコンバータ。HD/SDの場合は2チャネルオプションも用意。
・「USFシリーズ」
筐体、モジュールともに最新技術を投入し新開発。プロセス製品、分配器をはじめ各種モジュールをラインナップ。
☆ バーチャルソリューション
・「Advanced Shadow Chromakeyer」 <参考展示>
クロマキー合成をより自然に演出可能とする、3次元の影を生成できるクロマキーヤ。カラコレも可能なため、合成画像に合わせて調整が可能。
・「VRP-100」
3G/HDマルチフォーマット対応のバーチャルプロセッサ。新開発の技術で高品質クロマキーを実現。素材確認用のマルチビューワも搭載。
・「SmartDirect RCG」
設備面、運用面でハードルの高かったセンサ連動RCGシステムをローコストかつ簡単な操作で実現。豊富なCGテンプレートにより、すぐに運用可能。
・「QUU [Qoncept]」
画像認識により、被写体の位置を検出。機械式センサを用いずにカメラのパン・チルト・ズームに追従したCG合成を実現するセンサシステム。
☆ キャラクタジェネレータ
・「VWS-4K」
4K対応キャラクタジェネレータ。3D-VWSにて作成した素材データの利用が可能。またVWSを送出サーバとした情報送出を実現。
・「Aston3D [Brainstorm] (3D-VWS連携)」
リアルタイムCGレンダリング技術を有するキャラクタジェネレータ。VWSとの連携により、VWS素材データの利用、さらにはセンサ連動可能なRCGシステムを実現可能。
☆ ファイルベースソリューション
・「MBP-500VS+MCI-500/送出制御ソフトウェア」<ソリューション展示>
ハードウェアコーデック(MPEG-2/AVC-Intra)を最大8chまで搭載可能なマルチチャネルビデオサーバMBP-500VS。インジェストソフトウェアMCI-500にはマルチチャネルエンコード機能や予約収録機能を搭載。送出制御ソフトウェアは、複数サブで運用管理可能なプレイアウトサーバの活用やVWSテロップ連携を紹介。
・「MediaConcierge Ver.3」
クラウド運用も可能な制作管理システム。柔軟なユーザ管理と権限設定、時間軸メタデータにより一素材を複数の素材として管理が可能。高速ファイル伝送機能も用意。
・「MediaConcierge 編集/送出システム」
MBP-500VSを核にインジェストの一元管理、素材・プロジェクト管理、送出順管理等のアプリケーション群を展示。テロップ送出連携も対応。
・「MBP-200SX/202SX」
マルチチャネル対応プレイアウトサーバMBP-500VSに加え、2チャネル同時収録・同時追いかけ再生が可能なクリップサーバMBP-200SXを展示。
・「LTR-200HS6」
LTO-6対応のビデオアーカイブレコーダ。MPEG-2, AVC-Intra,DNxHD等のコーデックを搭載。オプションでProResにも対応。NAS出力オプションで新しい運用を提案。
・「LTS/LTS-MAM」
LTOドライブを搭載した小型サーバとMAMソフトウェア。XAVCやProRes等の4Kファイルからのプロキシ生成も可能。10GBイーサネットもしくはUSB3.1をオプションで搭載可能な高速・機能強化モデルを公開。
・「MXR-200IP [朋栄IBE]」 <新製品・Inter BEE初展示>
ファイルベース連携IP伝送装置。ファイルベースと親和性のあるコーデックでIP伝送可能。ストリームをライブ再生しつつ再圧縮せずMXFファイル化。
・「UP Convert Effect Plug-in 」<新製品> / FRC Export Plug-in [朋栄IBE]
Adobe Premiere Pro CC対応プラグインソフト。URC-4000と同等の方式でHDから4Kへ高品質アップコンバート、タイムラインから映像ファイルを抽出しフレームレート変換出力の2種類を展示。
・「Baton [Interra Systems]」
メディアファイルの品質管理フローを自動化し、明確な品質評価基準による検査や人的コストの削減を実現するファイルベースQCソフトウェア。
☆ 特殊用途カメラ
・「HBC-3600」 [フローベル]
2/3型HbCMOSセンサ採用の超高感度HDカラーカメラ。ノイズ低減により、今まで困難だった暗がりの撮影を実現。内部フィルタ切り替えにより、近赤外撮影も可能。
【朋栄】
本社住所:〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿3丁目8番1号
URL:http://www.for-a.co.jp/
出展部門 / ホール / 小間番号:映像・放送関連機材部門 /ホール4 /4208
冒頭の挨拶で国内・海外の状況とInterBEE2015出展コンセプトを説明する同社代表取締役社長の清原 克明氏
同社45周年のロゴ。プログレスバーをイメージ
「MFR-3000GB」システム概念図
InterBEE2015で注目すべき12の製品