【NEWS】フルスコア Inter BEE 2016で、８K制作ワークフローを提案・デモ　8K試験放送番組の制作実績を生かしたハイ・コストパフォーマンスシステムを披露

　フルスコアは、11月16日（水）から18日（金）までの3日間、幕張メッセで開催するInte BEE 2016に出展。自社ブース（ホール4/4715）で、SONY F65 SRで収録したRAWデータの現像から納品データ作成までの円滑な８K制作ワークフローのデモを実施する。

■機能満載の8K対応マスタリングシステム「Transkoder 2016」をデモ
　8K制作ワークフローには、 Colorfront社のソフトウエア「Transkoder2016」を Supermicro社のワークステーションに搭載。「Final Cut X」、「Davinci Resolve」を搭載したMac Pro、Blackmagic Design UltraStudio 4K Extremeなどとあわせて、コストパフォーマンスに優れる８K制作システムを提案する。
　「Transkoder 2016」は、UHDTV対応のマスタリングシステム。WINDOWSベースながらProResをネイティブで扱え、8K/4Kのデータを効率的にコーデック変換、ラッピング処理をする。多様なファイル形式に対応しており、専用ハードウエアを必要としない点が特徴。DCPとIMFの両方のマスタリングに対応しており、デュアル4K出力により、同時に二つのマスタリングも可能。JPEG2000符号化にも対応し、複数GPUを用いた32ビット浮動小数点処理や、MXFラッピングなど機能も豊富だ。
　展示会場のシステム構築には、ティ・アイ・ディの協賛により、高速ディスクストレージ「ExaSAN」シリーズを接続する。ティ・アイ・ディは、同社と隣接した位置（ブース番号4714）にブースを構え、両ブースの機材を接続してデモを実施する予定。

■豊富な8K/4Kの番組制作実績
　フルスコアは、これまでNHK、NHK関連会社のもとで8K/4Kの制作・撮影・演出・編集業務に携わってきた。具体的には、８K試験放送向けの番組「８K驚異の臨場感の世界」の制作・編集や、８K番組「リオのカーニバル２０１６」を担当。フルスコアでは、こうした実績・ノウハウをもとに、8Kの制作ワークフローを構築している。
　フルスコアの編集室では、8K60Pの再生を可能とする「8Kコンパクトプレーヤー」をすでに導入しており、8K編集システムと連携させたことで仕上がりを正確にチェックしながら納品物の制作が可能となっている。
　そうした中で、今回デモをする「Transkoder 2016」と、GPUアーキテクチャーを駆使したシステムも、実際に自社で導入し、実制作の中で、効果を確認したものだという。8Kのシステム構築を担当する同社編集部 エディット・コーディネーター、高精細ソリューション開発部 プロダクトマネージャーの市川哲也氏は「『Transkoder 2016』と最新のGPUアーキテクチャーを駆使したシステムにより、高精細映像データを扱いつつも8K60Pの再生確認やリアルタイムもしくはそれに近い高速処理でのトランスコード、コンバート、ラッピングが可能となった」と話す。

■「8Kをもっと身近に感じてもらい、仲間を増やしたい」
　Inter BEEで、こうした自社のノウハウを公開・提供するねらいについて、市川氏は次のように話す。
　「8K制作では、素材取込・変換・プレビュー・レンダリング・バックアップなど、一つ一つの作業がこれまで以上に時間がかかります。快適かつ安心な編集のためには、いかに円滑で無駄のないワークフローを作るかが重要。高精細映像データをソフト、ハードウェアに最適化することで、より早く、より確実に処理ができます」
　「フルスコアとしては、今回の出展で、多くの人に８Kをもっと身近に感じてもらい、８K制作をする仲間を増やしたいと考えています。高価な機材でなくても８K編集ができることを知ってもらい、８K制作の裾野を広げたいですね」
　「クリエイターにとって、よりやさしい編集環境を実現するため、〝既存のアプリケーションが使えること〟をシステム構築の条件にしています。カラーコレクションやテロップ入れなどの加工・確認作業がスムーズに行えるよう、ハイビジョンと同様のレスポンスで編集できる環境の構築を目指しています。これまでテストと実績を重ねたことにより、機材の選定や接続を組み合わせてきました。制作環境のさまざまな条件に柔軟に対応することができるので、ブースでぜひ相談してもらいたい」（市川氏）