【NEWS】DJI JAPAN 代表 呉氏インタビュー　4Kカメラ搭載クアッドコプターを発売　東京にショールームを開設し顧客対応強化

　空撮用無人ドローンを開発・販売するDJIは、4Kカメラを搭載したクアッドコプター「Inspire 1」を2014年11月に発表し発売を開始した。また、昨年11月に東京にショールームをオープンさせた。今回、DJI JAPAN 代表取締役の呉 韜氏に、日本市場での展開、最新製品等について聞いた。

■マルチコプターからジンバルまで豊富なラインアップ
－ 日本市場への進出はいつごろからですか。
呉氏：DJIは2006年からシングルローターのヘリコプター制御装置を開発し、日本で販売を開始しました。当時は、シングルローターのヘリコプターの操作が難しかったため、それに対応するフライト制御システム「XP3.1」を開発しました。

－ DJIは、マルチコプター以外にも製品ラインアップが豊富ですね。
呉氏：弊社では、マルチコプター、フライト制御システム、ジンバルなどがあり、すべて自社で開発しています。マルチコプター（ドローン）の提供を始めたのが、2010年頃です。その後、カメラ用のジンバルも自社で開発しております。このジンバル製品も高く評価され、その後マルチコプターとジンバル一体型の機体「Phantom 2」を開発しました。「Phantom 2」の新しいバージョンとしては、カメラも自社開発し一体化した空撮専用フライトシステム「PHANTOM 2 VISION+」を開発しています。新製品では、4Kカメラを搭載したクアッドコプター「Inspire1」を今年1月から発売しています。また、GoPro H4-3D、Canon-5D、GH-4に対応したジンバルを発売し、今年Sony-α7対応のジンバルを発売する計画です。

－ 新製品の「Inspire 1」について教えてください
呉氏：「Inspire 1」は4Kビデオ/1200万画素対応の静止画を撮影可能なカメラを搭載した空撮用マルチコプターです。カメラは「PHANTOM 2 VISION+」と同じ3軸ジンバルに取り付けられています。4本の着陸装置は、遠隔操作で昇降できるため、離陸時にカメラ撮影の邪魔にならなずに360度撮影が可能になっています。また、コントローラはiPadやAndroidタブレット上で720pのHD映像や最大1500m映像を送信することができます。コントローラーのHDMI端子からモニターに接続し、カメラ映像を確認できます。アプリを使えば、カメラや機体の高度・速度のコントロールなど、 スマホやタブレットによる操作が可能です。 さらにGPS感度やバッテリー残量など機体情報の表示機能を持ち、ワンタップで自動離着陸ができます。制御できる範囲はコントローラーから半径2Kmです。
　「Inspire 1」にはこのほか、ビジョンポジショニングシステム（室内フライト補助機能）が搭載されています。これは、GPSのない環境でも正確な位置を識別し、飛行をアシストすることができる機能です。

■ 販売好調な「Inspire 1」
－ マルチコプターの売れ行きはいかがですか。
呉氏：空撮は世界的なブームとなっています。PHANTOMシリーズは、月３万台位のペースで世界中で販売しています。また、日本では昨年月1,500台位を出荷しました。「Inspire 1」発売開始した。この機体だけで日本で月200～300台程出荷しています。売上げも毎年２～３倍に伸びている。

－ マルチコプターの用途として空撮以外にはどのようなものがありますか。
呉氏：飛行プラットフォームになります。様々なセンサーや装置を搭載し、農業、建設、流通などのなどの業界に使用されると思います。

■ 「フライト講習会」でマルチコプターの理解を広める
－ 東京オフィスの役割はどのようなものですか。
呉氏：東京のオフィスは昨年の10月にオープンした。東京のカスタマーとの打ち合わせやショールームとして利用しています。また、使い方の勉強会などもこのオフィスで行うことがあります。
－ 製品のサポート態勢はどうなっていますか。
呉氏：アフターサービスとか物流関連は、2年前から神戸にあります。今年は月に平均で２回ぐらい全国各地で「フライト講習会」を開催する予定です。「フライト講習会」を通じて、安全運用上の注意点、空撮の基礎知識を教える役割を果たしていきたいと考えています。

■ 新しい商品、新しい技術、新しいアプリケーションを展開
－ 最後に、今後に向けた取組ついて教えてください。
呉氏：弊社としては技術開発に注力しつつ、新しい商品、新しい技術、新しいアプリケーションも含めて展開していこうと考えています。