【NAB Show 2013】報映産業 NAB Showの報告を実施 FilmLightなどの最新情報を紹介 東芝の次世代ディスクアーカイブシステムも出展
2013.4.27 UP
干鰯谷氏
山田氏
東芝 ROSETTIA
報映産業は4月24日、25日の二日間、本社地下の会議室で「HOEI DAYS vol.4」を開催した。4月8-11日に開催したNAB Showやロサンゼルスのスタジオ見学の報告や、新技術、新製品が紹介された。セッションは2日にわたり合計4回開催された。会場には、毎回40人を越える関係者が集まった。報映産業は、NAB期間中のディーラーミーティングに加え、会場での取材・情報収集を実施。今回のHOEI DAYSやネット上でも情報発信をしている。同社の取り扱い製品に限らず、視察内容を幅広く紹介している。
■NAB報告 4K映像の制作環境が充実
プレゼンテーションは、報映産業 イメージングプロダクツ事業部の干鰯谷拓也氏と山田太郎氏が担当した。冒頭、NAB Showの報告では、展示会場の出展製品の傾向の一つとして、4K映像の制作態勢が整ってきたことを挙げた。その例として、
・AJAのKiProQuadやComvergent DsginのGeminiなどの4K収録機材の充実
・Avid MediaComposerなどの編集ツールも4K映像を想定した機能を追加
・4KモニターとしてJVCの84インチの4K60Pモニターなどが出展
・ブラックマジックデザインが4K映像信号を1本のケーブルで伝送するための6G-SDIを提案
・ブラックマジックデザインからATEM Production Studio 4K、Blackmagic Production Camera 4Kなど4K対応製品が出展
などの例を挙げた。
HEVCについては、テレストリーム、NTTなどが4Kのデモを行っていたことなどを報告。
■各社から新製品、新機能が登場
報映産業が扱う製品としては、MOG、FILMLIGHT、FRONT PORCH DIGITAL、IHSEの製品を紹介した。
MOGが発表した「mxfSPEEDRAIL」技術は、ファイルベースのインジェストと、SD/HD-SDI信号のキャプチャー、伝送、再生を効率的に行うソリューション。
FilmLightからは、同社のカラーグレーディングシステムの新製品でSSDを用いた「Baselight ONE」や、コントロール装置Blackboadの小型タイプSlateが発表されたことなどを紹介。
FRONT PORCH DIGITALが発表した、同社のクラウドベースのコンテント・ストレージ・マネージメントシステム(CSM)を紹介。WANアクセラレーション機能を持ち、LTO-6をサポートする「DIVArchive」のバージョン7.1で、ソニーの光ディスクを用いたファイルベースのアーカイブシステムと統合を紹介した。これにより、光ディスクとネットワークストレージの両方でコンテンツを安全にアーカイブできる。
また、IHSE社の製品では、同社のKVM(キーボード、ビデオ、マウス)延長装置Draco Compactシリーズの新機能を紹介した。KVM延長とは、ストレージや計算処理装置とUIを別に置くことで、それぞれの環境を最適化(温度管理、遮音など)すること。
Darco Compactでは、新たにファイバーチャンネルとイーサネットを混在が可能な製品が登場。また、冗長性を増すためにイーサネットを2系統用意するエクステンダーなどが紹介された。
■東芝の光ディスクアーカイブシステム ROSETTIER
HOEI DAYSの会場ではまた、TandbergのLTOドライブをアップルのMac Book Proに接続したデモを実演した。LTOの書き込みの仕様の汎用規格であるTARとLTFSのそれぞれの利点と課題を紹介し、LTFSがコンピューターの外部装置として利用しやすい点、データの読み出し時間短縮のための新機能が各社から登場し始めていることなどを説明した。
このほか、会場に光メディアを用いた東芝の次世代ディスクアーカイブシステム「TOSHIBA ROSETTIER」を展示し、東芝の担当者から説明がなされた。ROSETTIERは、5枚の光メディアを1巻のカセットに収納し、同時に読み書きをすることで高速化をはかっている。転送レートは理論値で250MB/s(再生時)。1巻あたり最大500GBまで記録可能。500GBの場合、50Mbpsでエンコードした映像が最大16時間記録できる。1巻を収納したデスクトップ型から24巻収納のラック・マウント型、60巻収納のカセットユニット型など拡張性を持つ。発売時期は、デスクトップ型が年内、ラック・マウント型が来年秋、カセットユニット型は来年秋以降の予定という。
干鰯谷氏
山田氏
東芝 ROSETTIA