【NEWS】KTVテクニカルフェア 2014 エリア放送を使用した4KリアルタイムHLSストリーミングをデモ 「地デジ帯域で4K映像をIP伝送」
2014.9.9 UP
エリア放送による4KリアルタイムHLS配信実験の様子
4KカメラとエンコーダとIPDC配信ソフト
LCで4Kリアルタイム再生中のタブレット
関西テレビ放送は、8月31日の「KTVテクニカルフェア 2014」技術展示コーナーにおいて、地上デジタル放送(ISDB-T)のエリア放送を利用した4K30p映像のHLSストリーミング配信デモを行った。エリア放送とは、地上デジタルテレビ放送の空いているチャンネルを使用して限られた区域内で放送する放送サービス。(上写真:エリア放送による4KリアルタイムHLS配信実験の構成図)
( IT・放送技術ジャーナリスト兼コンサルタント 隅倉正隆)
エリア放送とは、地上デジタルテレビ放送の空いているチャンネルを使用して限られた区域内で放送する放送サービスだ。ブースでは、4Kカメラで撮影した映像を米Z3テクノロジー社の4K対応エンコーダ「 Z3-HE4K-01」でH.264/AVC 4K30pでエンコード。エンコード化された4KのH.264/AVC TSファイルをAppleのHLS(HTTP Live Streaming)形式でセグメント化し、放送波を使ってIPパケットを配信するIPDC(IPデータキャスティング)に変換後、OFDMにて変調して伝送。IPDC受信クライアントで受信後、パナソニックの4K対応タブレットでVLC Playerを利用して4K映像を再生した。
IPDC配信システムは、ネクストウェーブ社のIPDCソフトウェア「ORION-IE」を用いた「FLUTEサーバー」と受信クライアントを利用しているという。なお、HLSのデュレーションについては「本来はデュレーションを10秒以下にしたかったが、うまく受信側で再生できなかったため、今回は30秒にしている」と関西テレビ放送技術局技術推進部の坂梨裕基氏は説明した。
今回の4K HLSライブ配信について坂梨裕基氏は、「地デジの帯域でIPDCを使うことで4K映像をリアルタイムに伝送する事が可能になるという1つの方式として実験してみた」と説明した。なお、今年の5月22日に開催した4K技術関連の内覧会「4Kフェスタ 2014」ではMPEG-DASHを利用したデモを行ったが、「今回はMPEG-DASHが間に合わず、HLSを使うことにした」と述べた。
エリア放送による4KリアルタイムHLS配信実験の様子
4KカメラとエンコーダとIPDC配信ソフト
LCで4Kリアルタイム再生中のタブレット