【NEWS】ソニー 非接触ICカード FeliCaを用いた「認証型コンセント」を発表
2012.2.17 UP
認証型コンセントの説明をする只野氏
認証型コンセントのデモ
■各種サービスのプラットフォームに
ソニーは2月14日、同社の非接触ICカード技術「FeliCa」と、新技術の「電力線重畳通信技術」を用いて、電源のコンセントに認証機能を持たせた「認証型コンセント」の技術発表を行った。
電気器具などコンセントに接続するプラグ部分にIDや課金情報などの情報を持った非接触ICチップを搭載し、コンセント側にデータの読み書き機能やコントローラー、通信インタフェースなどを組み込む。これにより、コンセントにプラグを接続する際に、機器や所有者の認証を行い、各種のサービス、アプリケーションのプラットフォームにしていこうというもの。所有者の認証や、機器ごとの電力管理・利用、電力利用の許可、過去の電力利用履歴の記録、あるいは電子マネーとの組み合わせによる電力課金・決済が可能という。
非接触ICカード技術「FeliCa」は、コンセントなどの電源供給側にリーダー/ライターなどの入出力端子やコントローラーを組み込み、機器のプラグ部分にはICチッ プを内蔵することで、無線による認証を行う。認証にはFeliCaの暗号通信技術を適用することで、なりすましを防ぎながら高速で正確に機器を判別できる。
電力線重畳通信技術とは、コンセントなどの電源供給側に内蔵されたリーダー/ライターの入出力端子を電力線に接続し、読み取り信号を電力線に重畳させる技術。情報の伝達は、電力線を経由して行われるが、通電の有無に関わらず、電源プラグをコンセントに挿すだけで、つながれた機器の認証する。また、電気機器 とコンセントの間に延長コードが挟まれても通信が可能という。ソニーが開発した独自技術。
■メーカー、住宅建設など協力企業と連携して事業化へ
今回の発表は、技術発表にとどまり、今後、具体的な協力企業を募り、事業モデルを構築していく。製品化、事業化の日程は未定という。今後は、機器メーカー、住宅建設、インフラの各企業へ採用を働きかけていく。まずは日本国内の市場開拓を進め、欧米・アジアへと拡大していくという。
発表会で説明を行ったソニー 技術開発本部 新規事業創出部門 ホームエネルギーネットワーク事業開発部の只野太郎部長は、「認証型コンセントによるシステムを作り上げていくことが重要。そのためには幅広い業種の企業の協力が必要になる」と述べた。
認証型コンセントの説明をする只野氏
認証型コンセントのデモ