【Inter BEE 2018】アイベックステクノロジー 4K/60P対応 超低遅延 HEVCコーデックを出展 4K/60Pで20msecの低遅延を実現

2018.11.12 UP

HEVCコーデック「HLD-5000E(エンコーダ)」

HEVCコーデック「HLD-5000E(エンコーダ)」

HEVCコーデック「HLD-5000D(デコーダ)」

HEVCコーデック「HLD-5000D(デコーダ)」

WPPモードによる符号化の説明図。ラインごとに複数コアで並列処理を順番に行うことで処理を高速化している

WPPモードによる符号化の説明図。ラインごとに複数コアで並列処理を順番に行うことで処理を高速化している

 HEVC/H.265、MPEG-4 AVC/H.264、MPEG-2等のコーデック製品を開発・販売するアイベックステクノロジーは、11月14日(水)から16日(金)までの3日間、幕張メッセで開催するInter BEE 2018に出展し、コーデック製品や、自社開発によるコーデックIP(Interectual Property)、伝送装置などを出展する。

■4K/60Pで20msecの超低遅延を実現
 新製品のHEVCコーデック「HLD-5000E(エンコーダ)」(上写真・左)、「HLD-5000D(デコーダ)」(上写真・右)は、業界に先駆けて4K/60Pで超遅延の20msecを実現している。前面パネルから、プリセット変更ができるのでPCレスでの運用も可能。HLD-5000Eは2K素材なら、異なる2つの素材まで同時にエンコード可能なモードも備えている。

 トリプルスタンダード対応デコーダ「HLD-5000D」は、自社開発のデコーダコアを搭載した HEVC/H.265、MPEG-4 AVC/H.264、MPEG-2の3つの符号化に対応したデコーダ。サイズは5000Eと同様、1/3Uサイズと小型。「HLD-5000E」とともに、コーデック遅延 20msec の驚異的な超低遅延を実現している。復号化は、入力されたストリームを自動判別し、自動的にデコードモードが切り替わる。

■コーデック技術でノウハウ蓄積
 営業部部長の岩田明彦氏は「当社は長年にわたり、LSIの設計・開発のノウハウを生かした受託サービスを展開していく中で、知財戦略を徹底し、MPEGなどコーデックの圧縮/伸長技術に特化したIP(intellectual property)をラインナップとして揃えている。今回の製品は、そうした自社開発のIPを活用した製品群の新製品」という。
 岩田氏はまた同社のコーデックについて「超低遅延が大きな特徴で、これにより、放送業界で長年にわたり、納入実績を持つ」という。また、超低遅延を生かし、重機等を遠隔で操作する際に、重機の操作部や周辺画像などをリアルタイムに伝送するための装置としても用いられているという。

■リアルタイム性活かし災害時の遠隔操作で採用
 「大型台風などの自然災害で二次災害の可能性がある危険な箇所の土木工事等で重機を用いた事例では、現場まで光ファイバーをひき、ケーブルをつなげられないラストの重機周りで無線を用いている。その際に、画像処理としてH.264、コーデック遅延10msecの『HLD-300C』を使用した」という。

 今回出展する新製品のHEVCコーデックは、この「HLD-300C」の技術を継承している。超遅延を実現するしくみは、ウェーブフロント並列処理(WPP)と呼ぶ画像を符号化する際の処理手順にある。通常、エンコード、デコードは、1ピクチャーごとに行うため、映像をメモリーにためてから計算処理をする。そのため、処理が終わるまで待機することになり、遅延が発生する。ウェーブフロント並列処理では、画像が完成する前に符号化計算を開始し、帯状の単位ごとに伝送するため、遅延が大幅に少なくなる。
 
【出展者情報】アイベックステクノロジー(株)
■本社住所
神奈川県川崎市麻生区南黒川10-1
■URL
http://www.ibextech.jp
■ホール / 小間番号
映像制作/放送関連機材部門 /ホール4 /4510

HEVCコーデック「HLD-5000E(エンコーダ)」

HEVCコーデック「HLD-5000E(エンコーダ)」

HEVCコーデック「HLD-5000D(デコーダ)」

HEVCコーデック「HLD-5000D(デコーダ)」

WPPモードによる符号化の説明図。ラインごとに複数コアで並列処理を順番に行うことで処理を高速化している

WPPモードによる符号化の説明図。ラインごとに複数コアで並列処理を順番に行うことで処理を高速化している

#interbee2019

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