【NEWS】プラットイーズ ケーブルテレビ徳島と4K映像プロジェクト
2013.10.24 UP
「徳島県のサテライトオフィス構想推進と4K政策」について講演する飯泉嘉門 徳島県知事
ケーブルテレビ徳島 VOD配信の運用イメージ
プラットイーズは9月27日、同社が徳島県神山町に設立した、4K・8Kまで取り扱う西日本バックアップセンター(神山センター)と、実証実験を行うサテライトオフィス「えんがわ」において、「全国4K祭り in Kamiyama 2013」と題したイベントを開催した。イベントでプラットイーズは、ケーブルテレビ徳島と共同で進めている4K映像制作のプロジェクトについて進捗状況を紹介した。
■各社から4K製品が展示
大正末期に建てられたという「劇場・寄井座」の会場には、100名以上の関係者および参加者が詰めかけた。ステージには、東芝84インチの4Kレグザを中央に、ソニー製4Kブラビア、そしてIFAで発表したばかりのパナソニック製の4Kビエラが並び、その背後にはブラックマジックデザイン社製およびキャノン社製の4K対応機器や編集システムが展示された。
催しは、テレビ鳴門のアナウンサーの司会で進められた。神山町副町長の大野氏と徳島県知事の飯泉氏を迎え、神山町と徳島県のサテライトオフィス構想推進と4K政策についての紹介がなされた。また、講演会も開催され、総務省から4K・8K推進政策について、次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)からは、4Kコンテンツの展開推進および制作環境に関わる企業やメーカーが揃い、4K放送トライアルについて紹介がなされた。
■阿波踊りをREDとEOSで収録し、東京-徳島間を伝送
続いて、プラットイーズ社が、自社で進めている、4Kプロジェクトの進捗状況を報告した。同プロジェクトは、ケーブルテレビ徳島と連携して、大阪を経由して東京の恵比寿本社と神山町までを1Gbps高速専用線で結び、えんがわオフィスの敷地内に設けるサーバ棟に映像データを保存・活用するもの。
8月に徳島と高円寺で行われた「阿波踊り」をRED DigitalのEPICとキャノン製のEOS DSLRを2台使って収録し、東京・徳島間の伝送を行った。
収録データのフォーマットは、REDはRAW(4096x2160@29.97fps)、CanonはProRes422。収録時間は合計12時間、データ量は約3TBになった。4K素材編集はカスタムメイドのPCワークステーションに搭載した、Adobe Premiere Pro CCとDaVinci Resolveで行ったという。
データ伝送実験は、両オフィスまでの700㎞の距離を、1Gbps専用線を使って映像データを伝送するというもの。両オフィスで、サーバにアップロードおよびダウンロードを行った。試験回数は数回行っている。FTPベースでffftpを使った場合、170~180Mbps程度で、UDPベースだと(任意のメーカー転送ソフトを利用)おおよそ600Mbps~最大950Mbpsという結果だった。ギガビットクラスの専用線を用いて確立できる今後の大容量データ伝送システムにも注目だ。伝送時間は1GBのデータで10秒程度という。
現状では、劣化をしない状態で恒久保存が可能なメディアは存在しない。また、フォーマットも次々と進歩する中で、現状のフォーマットを再生できる環境が将来にわたって保存されているかどうかが保障できない。そのため、今後の進歩にあわせてマイグレーションできるような、マスターとなりうる素材データを確保しておくことが、長期にわたって映像資産を再利用する上で重要になってくる。
今後は、「テレビトクシマVOD」として、まずは2KでのIP-VODサービスのシステムのトライアルを手がけていく。
「徳島県のサテライトオフィス構想推進と4K政策」について講演する飯泉嘉門 徳島県知事
ケーブルテレビ徳島 VOD配信の運用イメージ