【InterBEE 2012】カリーナシステム 映像表現の可能性を広げる製品のデモや導入事例を展示 映像配信のための新世代カメラシステムをデモ

2012.11.1 UP

Slot-In Camera「SXH-360」
ライブエンコーディングシステム「Cambria Live」

ライブエンコーディングシステム「Cambria Live」

○本文
 カリーナシステム(映像・放送関連機材部門 #6301)の展示の目玉は、Slot-In Camera「SXH-360シリーズ」、ライブエンコーディングシステム「Cambria Live」の新バージョン、開発中のネットワークエンコーダ「MEDIASYNERGY NEX」など。これらの製品を使ったデモを展示し、ユニークな映像表現が行える点をアピールする。

■自由度の高い映像のキャプチャをリアルタイムで処理
 目玉の1つであるSlot-In Camera「SXH-360シリーズ」はPCベースでのカメラコントロールや画像処理、映像配信のために設計された新世代カメラシステム。QXGAのCMOSセンサを搭載したカメラヘッドと、PCボードの映像処理部で構成される。これをPCに組み込むことで、自由度の高いカメラシステムを容易に構築できる。
 最大の特長は様々な解像度、色深度、フレームレートの映像をキャプチャできること。TV規格のビデオ信号の制約にとらわれず、QXGA/60fps、XGA/120fps、VGA/180fps、1080/60fpsなど様々な形式でキャプチャが可能だ。
 製品にはソフトウェア開発に必要なSDK(ドライバ、API、サンプルソフト)が無償で提供される。他の開発ソフトウェアやライブラリとも組み合わせて、映像合成、圧縮、保存、表示、ストリーミングなどを行うPCベースのシステムを短期間で開発できる。またDVI入力端子を搭載しており、専用カメラヘッドとは別に、1080/60fpsの映像をキャプチャすることが可能だ。
 ブースでは「SXH-360」とSDKを組み合わせ、QXGAの映像の中から一部を切り出して見せるほか、ハイフレームレートに対応する特長を活かしたスロー再生などの映像処理もデモする。
 なお「SXH-360シリーズ」は昨年のInter BEE 2011に技術展示し、反響の大きかった製品。2012年12月に国内販売の開始を予定している。20倍ズームレンズ内蔵のカメラヘッドやフランジバック調整機構付きのカメラヘッドなどを組み合わせることで、様々なシチュエーションで利用できるという。

■TOKYO MXの導入事例や“一台二役中継”のデモを展示
 一方の「Cambria Live」はインターネットライブ配信に特化したエンコーディングシステム。今回のInter BEE 2012ではその最新バージョンを出展する。
 「Cambria Live」はH.264エンコーダエンジンを搭載し、HD/SD-SDIやHDMIからの入力映像・音声を、様々なストリーミングサーバー(Adobe Flash Media Server、Ustream Server、Wowza Media Serverなど)へライブ配信する。MP4形式などでのファイル保存も可能だ。ライブ配信中に映像の輝度、コントラスト、ガンマ補正、音声レベル、リップシンク遅延などをリアルタイムで処理したり、テキストやロゴをリアルタイムで挿入することもできる。接点制御機能を持ち、ファイル映像とライブ映像のシームレスな切り替えも可能。再開時は、事前に切り替えたポイントから再生が行える。
 またネットワーク回線の状況を常に監視し、配信ビットレートの自動調整にも対応する。ライブ配信と同時にファイル出力や複数チャネルへも配信し、ライブ中継後、すぐに自動で再配信を行うこともできる。
 今回は製品の特長や技術紹介に加え、実績を踏まえた具体的な活用方法などを提案する。その1つとして、ブースでは東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の導入事例を展示する。
 同社ではテレビ番組のネット配信にあたり、接点制御の機能を活かし、柔軟なCM配信を実現している。具体的には、マスター設備の接点信号を利用して、地上波向け放送番組の本篇はそのままにCM部分をインターネット配信用のCMに自動差し替え処理しているという。ブースではそのシステム構成を再現し、現場でどのように活用されているかを紹介する。
 また「SXH-360」との組み合わせによる“一台二役中継”のデモも展示する。これは一台の「SXH-360」がとらえたQXGA解像度の映像と、そこから任意の位置を切り出した映像を「Cambria Live」で自由にスイッチングして配信するというもの。「SXH-360」の増設やSDI接続のカメラの追加も可能なので、本格的なマルチ配信も行える。

■H.264デュアルエンコードが可能な「MEDIASYNERGY NEX」を技術展示
 技術展示する「MEDIASYNERGY NEX」は現在開発中のネットワークエンコーダ。映像入力端子はHD/SD-SDI、DVIデジタル、アナログRGB、コンポジット、Sビデオなどを実装する。DVIデジタルのVESA規格の映像信号(WSXGA+、SXGA、XGA、SVGAなど)の入力にも対応し、PCのディスプレイアウトを直接接続して画面の配信を行うことができる。
 最大の特長はH.264のデュアルエンコードに対応していること。1つのソースをハイビットレートとロービットレートの2つにエンコードしたり、2つのソースを同時にエンコードし別々の拠点に配信することが可能だ。
 ブースでは2台のカメラの映像を一台の「MEDIASYNERGY NEX」でエンコードし、別々の拠点に見立てたモニターにリアルタイム配信するデモを行う。VESA規格の映像信号にも対応したデュアルエンコードが可能なメリットを活かせば、資料と同期しながらの会議や遠隔の授業などにも応用できるという。

【InterBEE 2012】
Inter BEEは、国内外のトップレベルの放送機器、映像機器、音響機器、照明機器、IPTV、Mobile TV、クロスメディア、周辺アプリケーションやソリューションが一堂に会する「音と映像と通信のプロフェッショナル展」です。クリエイティブ、メディアビジネスの最新動向を知る機会として、メディアに携わるあらゆる方々に関連した展示会です。
11月14日(水)〜16日(金) 幕張メッセで開催します(入場無料)。

ライブエンコーディングシステム「Cambria Live」

ライブエンコーディングシステム「Cambria Live」

#interbee2019

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