【Inter BEE 2014】三菱電機 8K HEVCエンコーダやHEVC対応HDTV高速モデムなど「次世代映像伝送システムソリューション」をテーマに出展
2015.1.16 UP
衛星通信用 HDTV高速モデム
DLP4面マルチを使った三菱電機の監視制御システムの事例
三菱電機はInter BEE 2014で、8K HEVCエンコーダ、衛星通信用HDTV高速モデムのほか、高画質伝送、低消費電力を実現した「半導体電力増幅器モジュール」や、ヘリからの映像を瞬時に解析することで現場の状況把握と撮影位置を特定する映像処理技術や、高画質・高精彩のマルチ大画面映像LED光源DLP方式プロジェクターなど各種最新機器を出展した。
■NHKと共同開発した8K HEVCエンコーダ 17分割並列でリアルタイム処理を実現
8K HEVCエンコーダ(=上写真)は、NHKと三菱電機が共同開発したHEVC符号化装置。2014年5月に発表したもの。7,680×4,320ドットのSHV映像を17分割(横方向)し、各領域を並列に符号化処理することで、リアルタイム符号化を実現している。符号化の際、効率処理をするために必要な映像の動きの速さや方向などといった情報は、各領域間で共有する。これによって、分割した領域のつなぎ目の画質劣化を抑制するという。
■従来の半分に小型・軽量化を実現した新型HDTV高速モデム
衛星通信用のHDTV高速モデムは、小型・軽量化を実現した新型モデム。会場では変調方式・伝送フィルタのデモを行い、衛星回線の効率的運用をアピールした。
同社IT宇宙ソリューション営業第一部第三課衛星通信システム担当部部長の大迫正人氏は出展製品について、次のように説明する。
「HEVC/H.265コーデック技術では、HEVC/H.265映像符号化方式に対応したことで次世代通信に対応ができる。また、独自の符号化制御技術を駆使して高画質の素材伝送を実現した1U高ハーフラックマウントサイズにより省スペース化を実現するなど多くのの特徴を有している」(大迫氏)。衛星通信用HDTV高速モデムは、同社の従来機種と完全互換対応しておりDVB-S/DSNG/S2規格に対応している。そのため、置き換え需要もスムーズに対応する。また、従来機種から筐体のサイズと重量を約半分に削減したことで限られたスペースの有効活用することができる。「利用周波数を効率化し変調方式64APSKとロールオフ率5%により所要帯域の狭帯域化を実現した。これにより従来よりも省スペースで安定した素材伝送等が可能になった」(大迫氏)という。
■日本気象協会と共同で天気番組を提供
半導体(GaN:Gallium Nitride)電力増幅器モジュールは、独自の高出力低歪化技術により高画質伝送と低消費電力を実現している。
このほか、一般財団法人日本気象協会と三菱電機インフォメーションシステムズが共同で提供する天気番組を制作・送出するシステム「天気予報番組自動送出システム」も出展。最新の気象データをリアルタイムにシーン挿入し、所定の番組シナリオに従って自動送出ができる。GUIをベースとした直感的でわかりやすいユーザー操作により放送局独自のシーン作成ができ、ズーム、描線やマーク貼り付けなどの豊富な解説支援機能も用意している。
■監視制御システム向けの4面マルチビジョンも展示
ブースではこのほか、DLPプロジェクターを使った監視制御システム向けの4面マルチビジョンも展示した。
映像情報画像製造部課長代理の山川隆司氏は、同社製品の監視制御市場での特徴について、次のように説明する。
「当社は、監視制御システムの国内市場で圧倒的に高いシェアを持つ。中でも当社のDLP方式のリアプロジェクションを使ったシステムは24時間365日の過酷な使用でも数多く採用されている。最近では液晶ディスプレイを使ったマルチビジョンも実績を伸ばしてきているが、焼き付きや目地の太さなど液晶は弱点も多く監視市場ではDLP方式に一日の長がある」(山川氏)
(※2014年11月19日〜21日、幕張メッセで開催したInter BEE 2014の出展内容のレポートです)
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