【NEWS】ソニー　中小の劇場・ホールなどを対象にした4Kデジタルシネマ装置を発売　価格、ランニングコストを抑え、HDMI入力等で多彩なコンテンツ上映を可能に

■多彩なコンテンツの高画質上映を可能に
　ソニーは2月13日、4Kデジタルシネマプロジェクションシステムを発売すると発表した。フルHD（High Definition）の4倍を超える885万画素（横4096画素・縦2160画素）の投影に対応する。
　ソニーは、デジタルシネマの上映システムである、「プロジェクター」、「サーバー」、コンテンツデータのデコード・再生をする「メディアブロック」をすべて自社で開発しており、今回の製品もこれらの製品をパッケージにしている。商品名は、デジタルシネマプロジェクターパッケージ「SRX-R515P」。
　オープン価格（市場推定価格は700万円前後）。従来モデルと比較して低い価格帯に設定し、新光源システムや再利用可能なフィルターなどを採用することにより、ランニングコストを低く抑えられる構成にしている。また、HDMIにより、BDや衛星、ネットワーク配信での受信機を接続可能となっている。
　主に中小の劇場やホール、独立系劇場などでのデジタル映画上映、さらには映画以外のコンテンツの高画質上映を対象にしている。

■DCI対応でハリウッド映画などの上映に対応
　ソニーが独自開発した、液晶ディスプレイデバイス「4K SXRD（Silicon X-tal Reflective Display）」と、新開発の光学エンジン、新光源システムに高圧水銀ランプを搭載。これにより、業界最高値のコントラスト比8000:1を達成。ランニングコストの低減も実現している。
　4K映像規格であるDCIの認証を得ているため、ハリウッド映画などDCI準拠の上映にも対応している。DCI（Digital Cinema Initiatives, LLC.）は、ハリウッド映画・6大スタジオが構成する、デジタルシネマの上映規格の策定を進めた業界団体。
　ソニーはまた、映画館内にある複数の上映システムを統合的に管理する「Theatre Management System(TMS)」や、機材の状態を遠隔で監視する「CineWatch」などを提供しており、これらとの連携も可能。

■大型シネコン等でシェア No.1
　ソニーは、昨年までに、大型シネマコンプレックス（シネコン）チェーンを対象としてデジタル化ビジネスを推進。国内では、ティ・ジョイやTOHOシネマズ、東急 レクリエーションに加え、昨年末のユナイテッド・シネマへの導入でシネコン向けサービスで国内シェアNo.1を獲得している。中小の劇場、ホールもデジタル化することで、従来実現できなかった演劇やオペラ、コンサート、スポーツ中継など映画以外のコンテンツも上映が可能となる。

■高圧水銀ランプの採用でランニングコスト低下
　従来のデジタルシネマプロジェクターはキセノンランプを搭載しており、その交換時には万一の破裂の危険性を回避するため防護具の着用と専門知識が必要だった。新製品は、高圧水銀ランプを採用しており、専門知識がなくても誰でも簡単、安全に交換が可能。また内部光学設計を、メンテナンスが容易に行なえる構造にし、吸気エアフィルターは掃除や洗浄で繰り返し利用できる。これらの工夫により、トータルのランニングコスト抑制につなげている。

■SRX-R515Pの主な仕様(4K Digital Cinemaプロジェクター)
輝度：15,000lm / 11,000lm
解像度：4096 x 2160
コントラスト比：Average 8,000:1
外部入力：HDMI
外形寸法 / 質量：W548 x H634 x D1119 mm / 145kg
電源：AC 200-240V, 50-60Hz, 単相
外部排気流量：450-550CFM(IMB / Digital Cinemaサーバー)
再生可能画像 (JPEG2000)：
　4K 2D: 24P
　2K 2D: 24/25/29.97/30/48/60P*4 (*4 60Pはソフトウェアアップデートで対応)
　2K 3D: 24/29.97/30/48/60P*4 (*4 60Pはソフトウェアアップデートで対応)
再生可能画像 (その他)：MPEG2
記憶媒体：4TB (8TB拡張 (オプション予定)) Modified RAID 6
インジェスト：USB 3.0、CRU Data Port Slot
サウンド出力：
Unbalance 8ch 24bits, 48/96kHz, Linear PCM
AES/EBU 16ch 24bits, 48/96kHz, Linear PCM
外部システム制御：GPI / GPO, RS-232C
ネットワーク：Gigabit Ethernet