【Inter BEE 2017】JEITAテープストレージ専門委員会が4K/8K時代へ向けたテープストレージの新世代LTO 8を出展 1巻12TBに 1巻192TBの第12世代までのロードマップも紹介

2017.11.3 UP

図1 テープストレージとディスク製品の消費電力比較

図1 テープストレージとディスク製品の消費電力比較

図2 テープストレージとディスク製品のTCO比較

図2 テープストレージとディスク製品のTCO比較

図3 LTO 7とLTO 8の4K/8Kデータ保存容量比較

図3 LTO 7とLTO 8の4K/8Kデータ保存容量比較

図4 LTO規格の開発ロードマップ

図4 LTO規格の開発ロードマップ

 JEITAテープストレージ専門委員会は11月15日(水)から17日(金)まで幕張メッセで開催するInter BEE 2017に、テープストレージの最新製品や最新ソリューションを出展する(ホール3、ブース番号3605)。「進化を続けるテープストレージの最新テクノロジーを幅広く紹介し、4K/8K時代における記録・保管メディアとしての優位性をアピールしたい」と同委員の橋場 巌夫氏(タンベルグデータ社)は意気込む。
(Inter BEE 2017は入場無料。下記サイトで事前登録を受け付け中)

■日本の技術でデジタルメディアとして進化を続けるテープストレージ
 多くの放送局は地上デジタル放送への移行を契機として、局内放送システムのデジタル化を進めた。それに伴い、従来のビデオテープを中核とするシステムから、ハードディスクやフラッシュメモリ、光ディスクを用いたシステムが広く利用されるようになり、記録・保管メディアの“テープレス化”が進んでいる。
 しかし、ストレージとしてのテープには根強い需要がある。テープと言うとアナログのイメージが強いが、テープストレージはデジタルデータの記録・保管メディアとして今も進化を続けている。
 テープメディアやテープストレージの開発技術は、現在はその多くを日本発の技術が支えているという。テープメディアは素材も含め100%日本企業が生産しており、テープストレージの開発にも日本企業や海外企業の日本法人が大きく関わっている。「エンタープライズや放送局を含め、世界中で広く利用されているテープストレージは、他のデジタルメディアと比べて優位性も高い」と橋場氏は語る。

■テープストレージは「省エネ性」「高速性」「長期保管性」に優れ、大容量で低コスト
 その優位性は主に3つある。1つめは省エネ性だ。テープ製品とディスク製品で同容量のデータを処理する場合の年間電力消費量を比較した場合、テープストレージのそれはディスク製品のわずか約4~9%で済む(図1)。
 「HDCAM(124分)47巻、約97時間の映像データもLTO 7テープ1巻に収まります」と話す橋場氏。分散する大量のデータを1本のテープに集約できるので省スペース性も高い。容量単価もディスクメディアに比べて安価だ。トータルコスト(TCO)の面でもテープが圧倒的に有利だという(図2)。
 2つめは高速性だ。現場で撮影した映像素材は高速なSSDなどに一旦記録されるが、映像素材やエンコード後の放送コンテンツはHDDやテープ、光メディアなどに保管される。テープはランダムアクセスができないため遅いイメージを持つ人も多いが、4K/8K映像は素材も放送コンテンツも大容量となる。「大容量データの転送においては、読み出し/書き出しのどちらにおいてもHDDや光メディアよりテープの方が高速です」と橋場氏は語る。データ転送速度に劣ると思われているテープの優位性を示すデータやデモも数多く展示するという。
 そして3つめが長期保管性だ。テープは適切に保管すれば環境の影響を受けにくく、経年劣化も少ない。テープ自体はディスクのように駆動装置を持たないため、破損リスクも極めて低い。70年以上もの間、データ保管メディアとしての実績があるのは磁気テープだけだ。また、従来は特殊なソフトやコマンド操作の知識がないと扱えなかった磁気テープだが、LTFSというオープンフォーマットが開発されたことにより、誰でも簡単に利用できるようにもなっている。「多くの面で、4K/8K放送コンテンツのアーカイブやバックアップ用途にテープが最適です」と橋場氏は言う。

■開発ロードマップは第12世代まで策定が進み、次期規格の保存容量は現行の2倍に
 ブースでは現在主流のLTO7製品に加え、次期規格として市場投入が開始されるLTO8製品も展示する。LTO8はLTO7に比べ、より大容量のデータ保存が可能になる(図3)。
 しかも、LTOテープの開発ロードマップは第12世代まで規格策定されており、その進化は今後も継続していく。第12世代になれば、その容量は非圧縮で1巻あたり192TBにもなるという(図4)。長期的な視点に立ったロードマップが策定されているので、長く安心して利用を続けられる。その点もテープメディアの大きな優位点だ。
 ブースではJEITAテープストレージ専門委員会に参加する主要企業8社が最新テープ製品やテープストレージ・ソリューションを多数展示する。また次期規格のLTO 8製品、さらに次世代に向けた開発ロードマップをもとにテープストレージの「未来」についても紹介する。4K/8K時代における記録・保管メディアとしてのテープストレージのメリットを“再発見”できる場となりそうだ。


◆Inter BEE 2017 開催概要◆
■会期:2017年11月15日(水)~11月17日(金)〔3日間〕
■展示時間:11月15日(水)・16日(木)10:00-17:30/17日(金)10:00-17:00
■会場:幕張メッセ(展示ホール1~8、イベントホール、国際会議場)千葉市美浜区中瀬2-1
■入場:無料(登録制)
■主催:一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
■後援:総務省、経済産業省(建制順)
NHK、一般社団法人日本民間放送連盟、一般社団法人電波産業会(順不同)
■運営:一般社団法人日本エレクトロニクスショー協会(JESA)

図1 テープストレージとディスク製品の消費電力比較

図1 テープストレージとディスク製品の消費電力比較

図2 テープストレージとディスク製品のTCO比較

図2 テープストレージとディスク製品のTCO比較

図3 LTO 7とLTO 8の4K/8Kデータ保存容量比較

図3 LTO 7とLTO 8の4K/8Kデータ保存容量比較

図4 LTO規格の開発ロードマップ

図4 LTO規格の開発ロードマップ

#interbee2019

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