【NEWS】独MWA Nova社アーカイブフィルム用スキャナー SpinnerSの6.5K対応版をNABに出展
2018.3.8 UP
ハイエンドフィルムスキャナー「SpinnerS」
ハイエンドフィルムスキャナー「SpinnerS」の開発を手掛ける独MWA Nova社は、4月7日〜12日に米ラスベガスで開催するNABにCube-Tec社と共同出展(ブース番号SU10426)し、新製品の6.5K対応製品を出展する。
現行の SpinnerSは、アーカイブフィルムのデジタイズ専用フィルムスキャナーとして開発。昨年11月に開催したInter BEE 2017で、同製品の輸入販売をするTMS社ブースに出展し、注目を集めた。TMSは、国内の映画製作会社など、映像コンテンツホルダーに向けた営業を展開している。
長年にわたり保存されてきたアーカイブフィルムは経年劣化により強度が落ちており、通常のフィルと同様に扱うとフィルムが切れたり破損しやすい。SpinnerSは、独自の技術で非常に低いテンションでフィルムを送ることで、こうしたフィルムも破損せずにスキャンできる。フィルムを送るためのスプロケットやキャプスタンがなく、RGB LEDフラッシュ技術によるモーショントランスポート方式を採用し、20g(0.2N)までの非常に低いテンションでの安定したトランスポートを実現している。また、フィルムの劣化状況に応じてテンションを変更することができる。
光学的特徴では、フルサイズのカメラ解像度により、画像のピクセルが無駄にならない点、また電動式でズーム、フォーカス、パンの移動が可能な点が特徴。スキャンスピードは、リアルタムのほか、オプションによって、HDRも可能。16ビットで解像度は、2.3K、2.5K HDR、5.1Kが可能になっている。
音声は、光学とマグネチック音声の両方に対応したサウンドヘッドを装備している。他のスキャナー、テレシネと同期させたトランスファー、バイフェーズ、マスター・スレーブなどの利用ができる。
Spinnerシリーズ専用のソフトにより、スキャンイメージのプレビューや、カラーコレクション、リサイジングなどが可能。また、輝度、RGBヒストグラム、波形表示、ベクトルスコープなどの表示機能を持つ。現在、SD、HD、4KのSDI出力を装備している。
また、別売りのフィルムスキャニング品質レポートツール「QUADRIGA Film/Examiner」は、スキャニング時にデータ変換の問題を自動検出し、正確な測定データと詳細な品質レポートを出力する。フィルムの表、裏の両方をスキャンすることで、両面の詳細な状態を知ることができる。従来、技術者によって、目視で確認していた作業を自動化することで、作業効率が大幅に向上し、デジタイズ、保存のコストを低減できる。
編集:Inter BEE 2018 ニュースセンター
ハイエンドフィルムスキャナー「SpinnerS」