【ニュース】ソニーPCL、映像用階調補完技術“SBMV Extend”を採用したBD制作サービスを開始
2009.10.30 UP
<<ブルーレイディスク制作におけるカラーバンディングを低減>>
ソニーピーシーエル株式会社(ソニーPCL)は、ソニー株式会社が開発した映像用階調補完技術“Super Bit Mapping for Video(SBMV)”を採用したブルーレイディスク(以下、BD)エンコード環境をさらに拡張した、“SBMV Extend”技術を利用したブルーレイディスク(BD)制作サービスを開始した。
グラデーション領域などで階調の変化点が等高線のように帯状になって見えてしまう“カラーバンディング”現象を低減する。 ”カラーバンディング”は、10 ビットから8ビットへの変換時に発生する。
“SBMV Extend”は、カラーバンディングが記録されているマスター映像に対し、その低減を行った上での8ビット変換を実現するもの。
“SBMV”では、10ビットで制作されたオリジナルコンテンツをBDソフト用にエンコードする際の8ビット変換処理時に発生するカラーバンディングを低減してマスターの品質を保持する。
新たに拡張された技術“SBMV Extend”では、マスター映像のなかからカラーバンディングを見つけ出し、その領域に対してスムージング処理を施し、14ビットのなめらかな階調を再現した後、“SBMV”処理を行う。
これにより、“SBMV”では対応できなかったマスター映像に存在するカラーバンディングの低減が可能になる。
カラーバンディングの境界のみを検出してスムージング処理を行うため、輪郭線やディテール部分が甘くなるようなことはない。
11月25日に発売予定の「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Blu-ray Disc BOX-1」(発売元:バンダイビジュアル株式会社)は、この技術を使って制作された。
『攻殻機動隊』シリーズの神山健治監督は、同技術について次のように話している。
「本シリーズはフィルムの作風をイメージしながら制作しているが、アニメーションではアウトラインがはっきりしすぎる場合がある。そのような場合、デジタル化の際にグラデーションやフレアを用いるが、ソフト化する場合にそれらがカラーバンドとして出てきてしまう。今回、“SBMV Extend”を採用してみたが、エンコード映像の滑らかな映像表現には非常に満足している」
また、10月27日に発売された「舞-乙HiME Zwei COMPLETE」(発売元:バンダイビジュアル株式会社)でも“SBMV Extend”技術が使われたという。