【ニュース】音響ハウス MA、編集各2室を更新 「現場力結集した改修」実現
2011.6.17 UP
音響ハウス(東京都港区)は6月3日、更新時期を迎えたMA室2室(第2MA室、第4スタジオ)および、編集室2室(第1、第2編集室)を改修した。「現場力を結集した」(広岡淳利社長)改修により、7月からの地上デジタル放送とCMのHD化対応を強化する。
第2MA室は、メインDAWとして、サポートが終了したDSP製品に代わり、アビッド テクノロジー製「プロツールス」を採用した。他スタジオとのファイル互換性の高さや、OMFやAAFなどの交換フォーマットに対応していることを理由とする。第1MA室は、アーカイブしてある素材に対応するため、時期をずらして更新する。
併せて、MA室が完成映像プレビューに使用される現状を踏まえ、HD映像を再生できる環境を整備した。
複数のプロツールスを編集システム「メディアコンポーザー」の映像とニアサンプル精度で同期再生するアビッド製「ビデオサテライト」システムを採用すると同時に、HDモニターを導入している。
これにより、収録順を変更するフォーマット編集やクレジット用の簡単なテロップ入れが可能になる。素材共有サーバー「ISIS5000」を導入し、部屋を移動しての作業や、サーバー上の別ファイルを使った平行作業を実現する。プリント室との間にはAES回線を引かず、完成音源はHD-SDI回線にエンベデッド/デエンベデッドして戻す。
室内には、フェーダーコントローラーとしてアビッドの「MCミックス」を設置したが、フリーミキサーの要望や、エフェクターとしても使える存在であることから、SSL製アナログコンソール「4000」も引き続き使用するという。
クロスの張り替えや、LED照明に交換するなどの改装も行った。システム設計・施工はタックシステム。
さらに、第1編集室のオートデスク製「インフェルノ」および、第2編集室の同製「フレーム」のプラットフォームをアップグレードした。
NVIDIA製GPU「クアドロ6000」をHP「Z800」に搭載したことで高速化した。アプリケーションは2011/2012版とし、アーカイブはLTO5を設置した。
使用していないワークステーションに、オートデスク製の補助ソフト「フレア」を導入したことで、マシン室や編集室内など場所を問わずに仕込み作業を行える体制も整えた。
同社は、7月から始まるCMのファイルベース納品に対応する準備を進めている。既設のソニーのXDCAMデッキ「PDW-F1600」とドライブ「PDW-U1」に加え、近日中にメタデータ専用ツールを導入することで、XDCAM納品に対応する。