独Fraunhofer研究所 CDのサラウンド拡張をデモ
2008.10.24 UP
独Fraunhofer Gesellschaft(FhG)は、現行のCD(コンパクトディスク)にサラウンド信号を記録する方式を出展した。1982年に発売されたCDは、44.1kHzのサンプリング周波数で左右各チャンネル16bitの分解能の音響を圧縮することなく記録している。FhGは、16bitの各信号のLSB(最も影響が少ないビット)にサラウンド情報を埋め込む。このため、既存のCD装置では、サラウンド情報無しのCDと比べて高々1bitの音の差が生じるに過ぎず、聴感上同一となる。同研究所で開発したデコーダを通すとサラウンド情報が取り出され、多チャンネル音響となる。
現時点で、サラウンド対応の音源は存在しないが、近い将来インターネット経由でサラウンド音響のコンテンツを購入した場合でも、この技術を使ってCDに焼けばサラウンドが保持されることになる。カーオーディオなどで活用できる技術と見られる。
FhGは、この方式はCDの規定する信号の並び方を変えていないため、ソニー・フィリップスの規格に合致するとしている。ただし、LSB周辺にノイズを散らすことで実効ビット数を拡張したSBM(スーパービットマッピング)技術とは並立しないことをFhGは認めている。
【映像新聞社】