【制作現場レポート】ミディアルタ エンタテイメントワークス〜『戦慄迷宮3D』の音響効果を仕上げたダビングステージ

2009.8.28 UP

3Dメガネをかけながらの作業
ミディアルタ代表の松野氏

ミディアルタ代表の松野氏

『戦慄迷宮3D/THE SHOCK LABYRINTH』

『戦慄迷宮3D/THE SHOCK LABYRINTH』

<<3Dメガネをかけてのダビング作業>>

 “本邦初のデジタル3D”によるスリラー映画『戦慄迷宮3D/THE SHOCK LABYRINTH』(清水崇監督最新作:10月公開)の最終ダビングが8月中旬に、ミディアルタ エンタテイメントワークス富ヶ谷スタジオのダビングステージで行われた。
 300〜350席ほどのシアターに匹敵するキャパシティ(95.5㎡)を有する同ステージでは7.053m×2.915mの高輝度スクリーンに2K DLPプロジェクターCP2000S(DCI準拠/Christie社)を用いて本編を映写しながら、清水監督をはじめプロデューサー、他スタッフ全員が専用3Dメガネを掛けての作業に取り組んだ。


<<Dolbyサラウンドによる立体音響を精密に構築>>

 従来のものを超えた臨場感を生み出す新世代デジタル3Dでの映画制作は日本初の試みだ。同ステージではコンソールとDAWに200チャンネルのEuphonix System 5-Hybrid+Pro Tools HD×4を装備し、Dolbyサラウンドによる立体音響を、わずかなズレやノイズを見逃す事なく最終出力として仕上げる事が可能である。設備に関しては米TODD AO社の技術協力や、アビーロードスタジオも手掛け世界的に著名な豊島政実氏による音響設計デザインもあり、国内有数の空間規模とデジタル処理能力を活かしたダビングとなった。


<<DCPに対応 スタッフ全員が立体を体感>>

 とは言え、デジタル3Dでもサラウンド・ミキシングのワークフロー自体に特殊な点があるわけではない。『戦慄迷宮3D』のダビングとしてミディアルタのステージが選択された理由については「DCP(デジタルシネマ・パッケージ)サーバを使った3D映写、シアターと同じ環境を使う事で、適正な位相の設定や音の伝達・周りの具合、反射・吸収による影響の確認などをより生理的・直感的に進める事が出来、スタッフ全員で同じ体感を共有できる。今回は当社ステージでの表現・再現能力を評価して頂けた」と、スタジオを束ねる代表取締役/テクニカルプロデューサー松野美茂(よししげ)氏は語る。日本でもブームが予見される3D映画の音響製作において「サスペンス色の強い作品では映像効果と並び音響が物を言う。劇場用3D作品ともなれば例えひとつの効果音に対しても上映空間を考慮した繊細な演出が求められるので、本ダビングステージが先駆的な存在になれれば(松野氏)」として、オペレーターに向けた言わば”アトラクション式体感型ミキシング”のセミナーも行っているそうだ。

株式会社 ミディアルタ エンタテイメントワークス
mediarte Entertainment Works Co.,Ltd. 
代表取締役/テクニカルプロデューサー 松野 美茂
○本社・富ヶ谷スタジオ(サウンド)
〒151-0063東京都渋谷区富ヶ谷1-15-2 
○広尾スタジオ(映像)
〒150-0013東京都渋谷区恵比寿2-36-13 広尾SKビルB1F 

ミディアルタ代表の松野氏

ミディアルタ代表の松野氏

『戦慄迷宮3D/THE SHOCK LABYRINTH』

『戦慄迷宮3D/THE SHOCK LABYRINTH』

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