Jストリーム、クロスデバイス時代に向けて新たな映像コンテンツ配信スキームを模索

2008.11.19 UP

Jストリームは、インターネットや携帯電話などを利用した、映像、音声、画像、Flashといったリッチコンテンツの配信サービスをはじめ、コンテンツ制作、配信コンサルティング、効果検証までトータルソリューションを提供しています。「映像コンテンツの配信端末は、今やPCだけでなく携帯電話、さらにはテレビやゲーム機などマルチ展開が広がりつつあり、今後のコミュニケーションにおいては、ネット×ネットという“クロスデバイス”現象が一層加速していくでしょう。これからは、デバイスごとに最適な映像コンテンツを配信していくことが重要です」と語る白石清代表取締役会長兼社長(以下、白石社長)に、映像コンテンツ配信の現状と同社の取り組み、そして今後の課題などを伺いました。


■「InterBEE TV」のストリーミング配信をサポート

 Jストリームは、1997年に動画配信インフラを提供する会社としてスタートして以来、ストリーミング配信サービスのパイオニアとして、IT技術の進歩や市場環境の変化にいち早く対応し、現在では、配信サービスにとどまらず、Webコンテンツや映像など各種リッチコンテンツの企画、制作、コンサルティング、効果測定サービスまでワンストップでサポートしています。今回のInte BEEでは、音と映像と通信の関連展示会をレポートする動画配信サイト「Inter BEE TV」のストリーミング配信インフラの提供で協力しています。
 白石社長は、映像コンテンツ配信の現状について、「PCでの映像コンテンツ配信は、今や当たり前になり、そのターゲットは携帯電話やiPhone、各種ゲーム機などマルチに広がっていくと見ています。当社が今年10月に実施したインターネットでのアンケート調査では、テレビ視聴がきっかけで携帯電話からネットにアクセスする人は回答者の約半数に達し、携帯電話がネット端末のひとつとして定着してきたことがわかりました。さらに、PC、携帯電話以外で使用したことのあるネット端末を聞いたところ、テレビ、iPhone、各種ゲーム機の回答が多く、今後のコミュニケーションを考えると、いよいよネット×ネットという“クロスデバイス”の時代に入りつつあることが浮き彫りになりました」と分析しています。


■携帯電話向けソリューションを強化

 クロスデバイス時代に向けた取り組みとして、同社では、まず携帯電話向けのソリューション強化を目指し、今年8月末に携帯電話向けコンテンツ制作を多数手がけるアップアローズ(http://www.up-arrows.co.jp/)を子会社化しました。アップアローズは、携帯電話の待ち受け画面やメニュー画面、電波アンテナ、電池容量など各種素材をまとめてオリジナルデザインに一括変更する「きせかえツール」の制作で実績をもっています。また、携帯端末搭載プリセットサウンドの制作も行っており、国内有数の携帯端末メーカーに向けて、端末プリインストールの着うたフル(R)や着ムービーを提供しています。
 「とくに、きせかえツールは、携帯電話を使った新しい広告ツールとしても注目されており、今後はきせかえツールにも動画を活用したリッチコンテンツが求められてくると考えています」と白石社長。まずは、携帯電話向けのコンテンツビジネスに取り組み、これを足がかりに携帯電話での映像コンテンツ配信へとビジネスを広げていく考えです。


■動画配信プラットフォーム提供サービスにも注力

 携帯向けソリューションとともに、現在、同社が特に力を入れて取り組んでいるのが、動画配信プラットフォーム提供サービスの「ブライトコーブ・サービス」です。このサービスは、企業が動画事業を効果的に行うために必要な「メディア・マネジメント」から「パブリッシング」、「動画コンテンツ配信」、「ビジネス展開」まで、すべての機能を提供するものです。柔軟性が高く、あらかじめ用意された高品質なプレーヤー・テンプレートを活用することで、企業は容易に映像コンテンツ配信事業を始めることができます。これによって、映像コンテンツ配信のさらなる活用領域拡大を目指します。
 今後の映像コンテンツ配信の課題について白石社長は、「クロスデバイスが進展する中で、これからは映像をどの端末にも一律の形式で流すのではなく、デバイスごとに最適な映像コンテンツを配信することが重要になります。例えば、端末の画面サイズの違いや、利用シーンの違いもあります。前述の当社独自調査では、企業サイトや商品サイトの閲覧時間を調査したところ、PCでは5~15分が32%で一番多く、携帯サイトでは3分未満が44%で一番多い、という違いが出ました。携帯電話やiPhone、各種ゲーム機、それぞれのデバイスでどんな映像コンテンツが求められるのか。端末メーカー、コンテンツホルダー、そして配信インフラを手がける当社が協力しながら、クロスデバイス時代の新たな映像コンテンツ配信のスキームを生み出していく必要があるでしょう」と指摘しています。

【Inter BEEニュースセンター】

◎写真1枚目
白石清代表取締役会長兼社長

◎写真2枚目
「きせかえツール」のデザイン例
(※こちらは、(株)インデックス提供のきせかえ公式サイト「キセカエ×デザインch」で配信中です。制作:アップアローズ)

#interbee2019

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