【ニュース】富士フイルム 米テクニカラーが開発したフィルム映写機を3D対応するシステムを国内展開

2010.9.10 UP

3Dスプリットレンズ
フィルムによる3D映画上映システムのしくみ

フィルムによる3D映画上映システムのしくみ

3D映画上映システム 提供方法

3D映画上映システム 提供方法

 富士フイルムは9日、既存のフィルム映写機を利用して3D映画の上映を可能にする上映システムを発表した。米テクニカラー社が開発した「Technicolor 3D」システムと呼ぶもので、1本のフィルムに立体視用の右目用、左目用映像をプリントすることで、1台のプロジェクターの投影で3D上映が可能になる。
 フィルムは、通常の映画上映用フィルムと同じフィルムだが、4パーフォレーションで1コマのところを2コマ(右目用・左目用)記録し、投影時に専用の「3Dスプリットレンズ」を用いることで、円偏光させる。スクリーンには、シルバースクリーンを用い、観客は偏光メガネで観賞する。
 導入コストが通常のデジタルシネマと比べて格段に安いことが大きな特徴。100万円前後の初期投資で導入が可能という。
 これまでコスト面の課題で導入が遅れていた地域・映画館への3D対応を促進すると共に、すでに3Dプロジェクターが導入されていても、3D作品が同時期に複数上映される場合に備えて、2台目以降の3Dスクリーンとしてシネコンでも導入が進んでいるという。
 米国、欧州ですでに導入が進んでおり、ハリウッドのメジャー映画スタジオ7社も対応を表明している。
 米国では、「シュレック・フォーエバー」「Megamind」「エアベンダー」「キャッツ&ドッグス」「Piranha 3D」「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1」「怪盗グルーの月泥棒」「My Soul to Take」が、同システムで上映された。
 富士フイルムは、テクニカラー社からライセンスを受け、国内で販売代理店を通じて、国内の映画館に提供する。代理店は、コパレント販売、ジーベックス、日本電子光学工業、ビクターアークスの4社。この4社が、レンズのレンタル、レンズ設置・メンテナンスを行うほか、シルバースクリーンの設置、眼鏡の販売を担当する。
 レンズは、3年契約のレンタル方式で、契約方式は2つのパターンを提案する。
 1つ目は、レンズレンタル料として設置時に1本100万円を支払い、1作品上映ごとに12万円を支払う。年間上映数が7作品目からは、無料となる。
 2つ目は、レンズレンタル料無料で、1作品当たり20万円を支払う。こちらも6作品までで、7作品目以降は無料となる。
 日本国内の映画上映スクリーン数は、3400スクリーンあり、そのうち、3D上映対応スクリーンは500スクリーン(全体の15%)。富士フイルムでは、目標導入スクリーン数として、1年目で100スクリーン、将来的には500スクリーンの導入を目指すという。現在すでに、東急レクリエーションとユナイテッドシネマが運営する映画館への導入が決定しているという。
 今回の米テクニカラーと富士フイルムとの契約は、上映システムに関するもので、国内映画の制作会社、フィルム現像会社への対応については、米テクニカラー社との直接交渉となる。

フィルムによる3D映画上映システムのしくみ

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3D映画上映システム 提供方法

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