【ワイヤレスジャパン2009】クアルコムジャパン、MediaFLOのデモを公開

　ワイヤレス＆モバイルの通信技術とサービスに関する総合展示会「ワイヤレスジャパン2009」（主催：株式会社リックテレコム、企画運営：日本イージェイケイ株式会社）が、7月22日−24日の3日間、東京ビックサイトで開催した。クアルコムジャパンは、2011年7月24日の地上アナログテレビ放送停波後に空くVHF帯ハイバンドで携帯端末向けマルチメディア放送の事業化を狙う「MediaFLO」のデモを公開した。

■ MediaFLOのミニ放送をブース内に設置し商用端末でのリアルタイムストリーミングデモを実施
　クアルコムジャパンは、ブース内に同社が推進する携帯端末向けマルチメディア放送規格「MediaFLO」の送信機と小型アンテナを設置し、蓄積放送のクリップキャストとライブストリーミング放送のデモを公開した。（写真上から１番目）
　デモでは、UHF帯719MHzから722MHzの6MHz（占有周波数幅5.55MHz）を使用し、13チャンネルのライブストリーミング放送とクリップキャストを0.5mWの出力で放送し、米国で既に販売されているVerizonのモトローラ製KraveやAT&TのLG製InvisionとSumsung製Eternityを使い受信するデモを行った。ストリーミング放送は、H.264で250kbpsから500kbpsに圧縮されたQVGAの30フレーム／秒で放送。また、クリップキャストで配信しているビデオファイルは、「MPEG4 15Mbpsで圧縮されたファイルを30分ごとに放送している」（同氏）と説明した（写真上から２番目）。
　今回デモで放送している番組は、「朝日ニューススター、AXN、バンダイチャンネル、ブレストTV、CNBC、MTV、QVC、よしもとファンダンゴ、フードチャンネルなど13チャンネル分を日本で調達した」（ビジネス開発シニアマネージャー 小菅祥之氏）という（写真上から３番目)。
　さらにブースでは、島根ユビキタス特区で7月から実施している日本サムスン製の大型デジタルサイネージディスプレーを使用した蓄積型クリップキャスト配信のデモも実施した。デジタルサイネージディスプレーに、USB型のMediaFLO受信端末を接続、このUSB型受信端末で受信したコンテンツをディスプレーに表示している。放送波を利用したコンテンツ配信では、一斉配信することが可能であるが、「デジタルサイネージに利用する場合、設置されているデジタルサイネージディスプレー毎に広告コンテンツが異なるため、MediaFLOではデバイスIDを利用してデバイス毎に広告を配信することができる（同氏）」と説明した。（写真上から４番目）
　この他、NAB2009で参考出品したUSB型受信チューナを展示。MediaFLO受信チューナが搭載されていないKDDI（au）のスマートフォン（E30HT）で無線LAN経由でMediaFLO放送を視聴するデモを行った。（写真上から５番目）