【IBC2009】欧州放送連合(EBU)がハイブリッドテレビ放送「HbbTV」をデモ
2009.9.14 UP
<<テレビとブロードバンドの融合型>>
欧州放送連合(EBU)はIBC2009の展示会場のEBUビレッジにおいて、ハイブリッドブロードバンド放送(HbbTV)のデモを行った。
ハイブリッド放送とはテレビ放送とブロードバンド・サービスを融合し、消費者に放送とインターネットをシームレスに享受してもらおうというもの。ドイツの公共放送局から運営資金を受ける技術研究機関、IRTも同規格に基づいたデモを行った。
<<欧州ETSIに標準規格案を提出>>
2009年8月には、欧州の13の放送関連企業が参加する「HbbTVコンソーシアム」が、に、HbbTVの標準規格化を策定し、欧州の規格策定機関であるETSI(European Telecommunications Standards Institute)に提出している。
ETSIで正式に認可されれば、ハイブリッド放送が具体的に開始されるもよう。
<<2010年冬季オリンピックがターゲット>>
IRTの説明担当者によると、ドイツは2010年にカナダのバンクーバーで開催される冬期オリンピックを目指して、HD放送の開始を予定しており、HD放送受信のために多数の消費者が、テレビやセットトップボックスを買い替えることが予想されている。
HbbTV受信機の出荷が間に合えば、「消費者がHbbTV受信機能付きのHD受信機を買うことへの期待が大きい」(同担当者)という。
ドイツでは、アナログ放送の時代からデジタルに移行した折りにも、1400万世帯がテレテキストという文字放送を受信している。HbbTVもまた、同様に、ドイツの消費差に受け入れられると期待されている。
<<HbbTVで新たな収益モデルを目指す放送局>>
HbbTVは、「地上波、ケーブル及び衛星放送に付加価値を与えるサービス」と位置づけられており、IPTVのような「ケーブルや衛星放送の競合」というイメージとは異なる。
HbbTVの放送は、テレビ番組とブロードバンド接続の両方で提供される。テレビは、放送信号のほか、番組ガイド、文字放送が送られる。ブロードバンド接続側からは、「キャッチTV」と呼ぶDVRのような機能が提供される。これは、番組録画をヘッドエンド側で行い、再生映像がブロードバンドを伝送して送られるというしくみ。テレビ放送と比べて、やや画質は落ちる。
民間の放送局はHbbTVサービスを提供することで新たな収益モデルの構築を目指している。