【NAB SHOW 2010】デジタルシネマサミット開催 ホーム市場を狙う3D

2010.4.14 UP

今年のテーマは「3D:Cinema and Home」

 映像関係者が一堂に集いデジタルシネマの状況報告を行うデジタルシネマサミット(主催:米SMPTE、欧EBU-UER、米南カリフォルニア大学/エンタテインメントテクノロジセンター)が10日、11日の2日間開催された。今年は『3D:Cinema and Home』とうたわれているだけに話題のほとんどが3D関連となった。

■世界で1万6000スクリーン超え 3Dが牽引役に
 デジタルシネマの普及状況は、MKPEコンサルティングのマイケル・カラゴシアン社長によれば、2009年末の時点で全世界で1万6,000スクリーンを越えたという。内訳は、米国約9,000、欧州約5,000、アジア・その他約2,000となっている。世界1万6,000スクリーンのうち3Dに対応したものは約8,000とほぼ半数になっている。ただし、2009年に限って見ると7,500の新設スクリーンのうち6,200が3D対応となっており、3Dが牽引役であったことを示している。特筆すべきは、新設の多くは、デジタル化の費用を支援する「VPF(バーチャル・プリント・フィー)に根ざした普及組織の範囲外」で行われていることである。各映画館主、チェーンが独自の判断でデジタル化投資を行っている。えいが『アバター』のヒット以前に、これだけの推進力が働いており、2010年は更なる伸びが見込まれる。

■10年後には裸眼が趨勢に
 サミットでは、初日が主として3D映画、2日目が主として3D作品のテレビ(家庭)展開について論じられた。また、3Dの課題とされている「字幕」について、検討状況が明らかにされた。3Dの場合、字幕に加えて、STBやテレビの操作に伴うメッセージ(OSD:オンスクリーン・ディスプレイ)の位置も問題となっている。3D作品を視聴中に操作情報が表示されても、視感に衝撃を与えない方法が求められている。
 現行方式、将来方式に関する2つのセッションでは、現行方式では3D用眼鏡の互換性の確保について悲観的な見解が相次いだ。一方、10年より遠い未来の3D方式については、眼鏡を使わない方式となるとの見方が日欧の研究者達から示された。

#interbee2019

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