【IBC2009】MPEGビデオ・サブグループ議長のオーム教授、AVC/H.264後継規格の見通しを公開
2009.9.13 UP
<<新方式の名称はHVC>>
独RWTHアーヘン大学のジェンスーライナー・オーム教授は、12日のセッション(「Making HDTV a reality in production and delivery」)で講演し、MPEG-4 AVC/H.264の後継となる画像符号化方式の検討状況を公開した。同教授は、MPEGビデオ・サブグループの議長を務めている。
新方式は、現段階ではHVC(High Performance Video Coding、高能率映像符号化)と呼ばれている。
<<H.264以上の解像度を指向 効率は30%も向上>>
HVCは、現行のAVC/H.264がSD〜HDTV程度の解像度を指向していることから、それ以上の解像度を範疇に含む方式が必要との考えに基づいている。同時に、AVC/H.264に比べて50%程度高能率であることを狙っている。
AVC/H.264を越える符号化方式について、今年5月に「実証例の募集」(Call for Evidence)が公開された。7月に応募があった9方式に対する評価が行われたという。この結果、AVC/H.264に比べて大幅(30%以上)高効率な方式が存在することが確実となった。今後、「提案の募集」(Call for Proposal)を発行し、本格的な方式検討に入るという。
<<ビットレートは50%程度削減 2012-2013年には規格化へ>>
新方式は、前述の通りAVC/H.264より最高で50%程度ビットレートを削減するほか、どのビットレートでも現行方式に画質で負けないことを目指している。また、「視覚上ロスレス」を重要目標としている。
新方式は、2012年から2013年頃規格化されるとオーム教授は期待している。
(映像新聞社 杉沼浩司)