【CEATEC2011】DXアンテナ 災害停電時対応機能搭載のギャップフィラーシステムを開発

2011.10.26 UP

受信点のヘッドアンプ。停電時は電池で1波のみ8時間転送する
停電対応ギャップフィラーシステムの装置群

停電対応ギャップフィラーシステムの装置群

電池を内蔵した送信機。停電時も8時間の再送信が可能

電池を内蔵した送信機。停電時も8時間の再送信が可能

 地上デジタル放送の難視聴地域や建造物障害地域で受信状態改善用に、低出力の電波で再送信を行うギャップフィラーがある。DXアンテナは、災害時に停電しても運用可能なギャップフィラーシステムを開発した。停電時は、1波を8時間再送信できる。ワンセグも含めた1波13セグメントの送信が継続される。同システムは、CEATEC AWARD2011の安全・ネットワーク部門において準グランプリを受賞した。

■最低8時間運用可能
 DXアンテナは、NHKアイテック、NHKエンジニアリングサービスと共同開発した災害停電時対応機能搭載のギャップフィラーシステムを出展した。ギャップフィラーは、山間部などの難視聴地域で使われる装置。感度良好な地点(受信点)に置かれたアンテナで受信した信号を光ケーブルで伝送し、難視聴地域に置かれたアンテナ(送信点)から再送信するものである。受信点、送信点ともに電力を必要とする装置が使われているため、どちらかで停電があると、地域での放送受信が停止してしまう。
 今回出展されたギャップフィラーシステムは、送信点、受信点の機器がそれぞれ電池を内蔵しており、停電時はこれで運用できる。停電時は、1波の再送信に限られるが、8時間の運用が可能になる。

■外部電源で更に長時間運用も
 DXアンテナでは、長時間運用を可能とする外部電源接続ボックス「PSA1」を開発しており、これを接続すれば運用可能時間を72時間延長できる。更に、このボックスは自動車のバッテリ端子(12V)に接続できるため、エンジンによる発電で運用時間を更に延長できる。
 本システムは、障害発生時に状況をFM波に乗せた音声で報告する機能がある。受信点が遠隔地の場合、ギャップフィラー利用者が受信点の停電を感知することが難しい場合もある。突然、受信できる放送が1波になった時は、FMラジオで信号を受信すると、停電箇所が音声で知らされ、状況の把握が可能となる。
 なお、同社は、既存のギャップフィラーシステムを停電対応にするアップグレードキットも開発している。

停電対応ギャップフィラーシステムの装置群

停電対応ギャップフィラーシステムの装置群

電池を内蔵した送信機。停電時も8時間の再送信が可能

電池を内蔵した送信機。停電時も8時間の再送信が可能

#interbee2019

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