【InterBEE 2010】ザクセル GPUを用いたリアルタイム超解像度処理で各種変換実現
2010.11.21 UP
ザクセル(ブース:8203)はGPUを用いた超解像度処理を出展した。
同社のソフトウェア「リアルタイム スーパースカラ」は、HD画像(1920x1080@60I)を4k(3840x2160@60P)へ変換する。処理には、NVIDIA社のGPUボードQuadro FX5800またはGeForce GTX275を2台用いている。Quadro FX5800とGeForce GTX275は、240個のコアを持つ並列度の高いプロセッサであり、プロ用GPUとして知られている。
超解像処理は、数学的演算により、元データの解像度よりも高い解像度を得るものである。
この処理は空間解像度(画素数)のみならず時間解像度(フレームレート)にも適用が可能であり、今回は画素数変換とデ・インターレース(I→P変換)を同時に行っている。
また、同社は24Pを48Pに変換する研究進めている。超解像の実現例の多くは、ハードウェアを用いて処理を行っているが、これは演算量が膨大であるためである。ザクセルは、ソフトウェア処理でありながらリアルタイムであることを特徴としている。
ザクセルは、1998年に社長を務める鈴木則久博士によって設立された。同社長は、東京大学、IBM東京基礎研究所、ソニーなどでコンピュータ・アーキテクチャを研究してきた研究者として知られている。
同社長は、「4kディスプレイが普及期に至るのに4kコンテンツが不足しているため、HDからの変換には大きな市場がある」と主張している。この技術は、米国のエンターテインメント各社へライセンシング等の交渉中であり、各社は自社のアーカイブやHD収録タイトルの4k上映を計画しているとのことである。