YEMエレテックス、報道用素材伝送システムやマルチスクリーンシステムなど注目の新製品を一挙展示
2008.11.21 UP
注目の新製品が目白押しとなったYEMエレテックスの展示ブース。代表取締役執行役員社長の中原信一郎氏は、「昨年7月にフライトグループ傘下のエレテックスと山下電子設計の2社が経営統合して当社が新たにスタートしました。今回展示する新製品は、すべて今から半年以内にリリースしたものばかりで、合併後に生まれた最先端の製品群をInter BEEで一堂に展示することができました。幅広いラインアップが揃いましたので、展示にあたっては、各製品の特長や用途がわかりやすいようにソリューション展示を行い、実際にデモを披露しながら来場者にアピールしました」と述べています。
新製品としてメイン展示していた報道用素材伝送システムは、取材現場で撮影した報道用の映像をインターネットによっていち早く報道局や制作局に伝送するためのシステム。DVCPRO HD版とHDV版の2製品をラインアップしています。それぞれオリジナルフォーマットのまま伝送するため、画像劣化する心配なくハイクオリティな映像伝送を実現します。また、報道現場で必要となる「プロキシデータ伝送機能」や「リクエスト機能」なども備えています。
VANCモデムは、SDI信号の補助データ領域(VANC)を利用して、RS-232Cのシリアルデータを最大4回線まで伝送できるシステムです。これにより、例えば、マラソンのライブ映像とともに、距離や時間、GPSデータといった付加情報を送信することが可能となり、スポーツ中継における業務効率化を強力にサポートします。
今回のInter BEEで初めて披露されたのがSDIシームレススイッチャーとマルチスクリーンシステムです。両製品とも12月にリリースする予定となっています。まず、SDIシームレススイッチャーは、SDI信号の切り替え機というだけでなく、伝送経路で発生するSDIのCRCエラー監視を行いながらブランキング切換を行うほか、伝送経路や通過機器の差による発生する遅延を±5フレーム内で補正することができます。これにより、非圧縮による映像伝送の効率化を図ることが可能になります。
マルチスクリーンシステムは、サイバネットテクノロジ社が開発した新技術「Cyber Screen」を日本で初めて採用し、複数のプロジェクターからリアルタイムに映像やデータの表示を可能にする製品です。投影面積を10平米~100平米に調整可能なほか、曲面や球面のスクリーンにも投影することができます。ブースでは、同システムを使って、PS3の映像を2台のプロジェクターから曲面の大型スクリーンに映し出し、エッジブレンディング機能によって、つなぎ目のわからない一体感のあるマルチ画面表示を実演。来場者からの注目を集めていました。
なお、ブースでは親会社のフライトシステムコンサルティングが開発中のiPhoneラジオアプリケーションも参考出品していました。このアプリケーションは、GPSやWiFiルーターから現在位置を取得すると、選択可能なラジオ局が表示され、iPhoneやiPod touchでラジオの聴取が可能になるというもの。また、楽曲をiTunes Store経由でダウンロード購入することも可能で、曲購入機能はアフィリエイトとも連動するため、ラジオ局にとっては新たな収益モデルとしても期待できます。まずは、天神・大名WiFi化プロジェクトの一環として、天神エフエムからスタートし、順次、参加ラジオ局を広げていく考えです。
【Inter BEEニュースセンター】
◎写真1枚目
報道用素材伝送システムのソリューション展示
◎写真2枚目
マルチスクリーンシステムで曲面のスクリーンに映し出されたデモ映像