【ニュース】ウェスティンホテル東京 高精細ビデオ会議室「テレプレゼンス・ルーム」を時間貸し
2011.3.4 UP
ウェスティンホテル東京(東京都目黒区)は1月27日、高精細ビデオ会議システムおよびテレプレゼンスの時間貸しサービス「パブリック・テレプレゼンス・ルーム」を開始すると発表した。
ウェスティンホテル東京の館内にテレプレゼンス・ルームを設け、専用ポータルサイトで事前に日時を指定予約して利用できる。ホテル宿泊者以外でも利用が可能だ。利用料は1時間5万2500円。4月30日まではキャンペーン価格として2割引で提供する。
パブリック・テレプレゼンス・ルームは、楕円(だえん)形の会議テーブルが置かれた個室になっており、テーブルの半分に3枚の大型ディスプレーが配置されている。テレプレゼンスを行うと、ディスプレーに先方の会議室が表示される。このとき、相手も同様のテーブルに座っていることで、あたかもテーブルを囲んでいるような臨場感を作り出す。テーブルや壁の素材・色、照明などが、こうした効果を生み出すように設計されているという。3枚のディスプレーには、それぞれ別の回線からの映像を表示できる。
記者発表では、シンガポール、サンフランシスコ、シドニー、パリの4カ所を接続してデモした。表示は一度に3カ所だが、発言をすると、自動的に発言者に切り替わるようになっている。1枚のディスプレーに最大で16回線を接続して切り替えることができるという。
ウェスティンホテル東京 宿泊部長の越川慎一氏は、「売り上げもさることながら、ホテル利用者の利便性の向上や、同サービスが利用できることによるホテル利用の増加に期待している」と話す。同サービスの売り上げは、インドのタタ・コミュニケーションズ(以下、タタ)との間でレベニューシェアされる。
今回の導入は、ウェスティンホテルを擁するホテルチェーン企業スターウッドホテル&リゾートが、09年にタタおよび、シスコシステムズと提携し、世界各地のホテルに導入を進めているもの。スターウッドは、既にカナダのシェラトン・センター・トロント、Wシカゴ・シティ・センターなど13施設に導入しており、日本は今回が初となる。
タタは、05年に通信用地下ケーブル会社のTyco買収などにより、自社保有の海底ケーブルを用いた専用線で、世界中のテレプレゼンスシステムと接続が可能だ。タタが提供するパブリックルームや、企業のプライベート用途に提供しているテレプレゼンスシステムも利用できる。タタのテレプレゼンスルームは現在、世界29拠点にあるという。
また、英ブリティッシュテレコム、スペインのテレフォニカなど、提携している通信事業者のテレプレゼンスシステムとも接続が可能となっている。
テレプレゼンスシステムは、シスコシステムズが構築する。通信規格はSIPに対応し、画像圧縮はH.264を使用している。現在は、他社のテレプレゼンスシステムや、テレビ会議システムとの接続はできないが、「他機種などとの接続について要望が多いため、順次対応していく計画」(タタ製品開発部長のクリストファー・ステファン氏)と述べている。