【プロダクション】「東映デジタルセンター」が内覧会開催 3D視差調整作業などを実演

2010.8.17 UP

■試写室で3Dデモ映像上映

 東映は4-6日、新設した「東映デジタルセンター」の内覧会を開催した。
 試写室であるシアターでの3Dデモ映像上映をはじめ、オンライン編集室やMA室、メディア取り込みや変換を行うトランスファー室を公開。クォンテル製「パブロネオ」を運用するグレーディング室では、先に稼働を開始した第6ステージから、3Dカメラシステムの映像をライブ伝送して、視差調整の作業を実演した。

 10月から、ダイナモピクチャーズとの提携のもと営業を開始するモーションキャプチャーのデモも行った。VICON(バイコン)社製光学反射式モーションキャプチャーシステム「T-160」カメラ16台で撮影したデータを、オートデスク製「モーションビルダー」に取り込んでリアルタイム合成する。このCG空間を見ながら、カメラマンがアングルを決めていく制作方法も披露した。

 Xsens(エクスセンス)社製の慣性センサー式モーションキャプチャーシステム「MVN」も導入する。アクターが17個のセンサーを装着したスーツを着用することで、その動作の強さと方向をキャラクターにリアルタイムで適用する。カメラおよびマーカーレスシステムのため、範囲を制限しない自由な撮影が可能で、スーツの上に着ぐるみを着ることも可能。

■研究開発組織 ツークン研究所における最新技術も展示

 最新技術の展示も行われた。デジタルセンター内の研究開発組織であるツークン研究所は、NTTグループとの協力で、非圧縮HD-SDIのほか、DVCPRO HD(100Mbpsイーサネット)とMPEG2(25Mbpsイーサネット)、同(無線LAN)の各方式で素材映像を同時伝送。4kまでの映像をIP上でファイルおよびストリーム映像として伝送する「i-Visto eXmedia」サーバーを使用した。

 眞道正樹室長代理は、「遠隔地での撮影のプレビューを効率化できると同時に、ストリーミング方式のため、不適切なコピーの防止といった安全面を向上できる」と話す。今後は、暗号化やセキュリティーコードの自動表示、ファイルの自動変換に取り組むという。

 また、JPEG2000のリアルタイムコーデックを使った3D映像のIP伝送も行った。HD-SDI8入力を持つため、4kまで対応すると同時に3D映像2系統までを伝送できる。遅延は100ミリ/秒以下。

 ソニーやアスク、アストロデザイン、西華産業といった協力会社も3D関連機材を展示した。ナックイメージテクノロジーは、ラチチュードの広さとファイルベース仕様で引き合いが多いというARRI製「アレクサ」や、16対9画角での撮影増加に伴い注目を集めている3パーフォレーション形式カメラを展示した。

(写真:3D撮影の様子)

#interbee2019

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