【CEATEC JAPAN 2009】マルチメディア放送ビジネスフォーラム、5.1chサラウンド放送をデモ
2009.10.23 UP
5.1chサラウンドのデモ
車載用試作受信機
放送波ダウンロード・サービスのコーナー
デジタルフォトフレーム型受信機
<<携帯端末向けマルチメディア放送のデモを実施>>
マルチメディア放送ビジネスフォーラムは、10月6日から10日までの5日間、幕張メッセで開催したCEATEC JAPAN 2009において、2011年以降に開始される予定のVHF-LOW帯を利用した携帯端末向けマルチメディア放送のデモンストレーションを行った。
会場では、MPEGサラウンド技術を使った5.1chサラウンドラジオ放送や携帯電話向けの有料コンテンツのダウンロードサービス、デジタルフォトフレーム型受信端末によるマルチメディア放送サービスなどを紹介した。
マルチメディア放送ビジネスフォーラムは、放送局、受信機メーカー、コンテンツ関係者が中心となり2005年に設立された任意団体。VHF-LOW帯を利用した携帯端末向けマルチメディア放送サービスで、ISDB-Tsb方式で3セグメントサービスを検討しており、現在は福岡ユビキタス特区マルチメディア放送実験試験局の中で実証実験を進めている。
<<自動車での5.1chサラウンドをデモ>>
携帯端末向けマルチメディア放送方式に新しく採用されたMPEGサラウンド技術を使い、車載機に向けた5.1chサラウンドラジオ放送のデモを実施した。
会場では、ホンダの「オデッセイ」にFraunfoherIISの協力を得てアルパイン、豊通エレクトロニクスが開発した試作受信機を搭載、リーダー電子製の信号発生器「LG3802」を使用し、VHF1chの電波を同軸(RF)ケーブルで直接受信機に入力、車内で5.1chサラウンド放送を体感することができた。
<<MPEGサラウンドも披露>>
MPEGサラウンド技術によって、48kbps〜128kbps程度の低ビットレートで高音質な5.1chサラウンドが実現できる。従来の2chステレオと互換性があるため、5.1chサラウンドに対応していない携帯端末では通常のステレオ放送として聴くことができる。
「5.1chサラウンドに対応した車載オーディオ機器では、前方から音声を出し、リアからサラウンドを出すことで、臨場感のある5.1chサラウンドを楽しむことができる(ブース説明員)」と説明した。
なお、現在行っている福岡ユビキタス特区で、「この5.1chサラウンド放送の実証実験も実施したいと考えている(ブース説明員)」と説明した。
<<デジタルフォトフレーム型受信機を参考出展>>
VHF-LOW帯マルチメディア放送は、携帯電話や車載機以外にもデジタルフォトフレームも受信端末になる。
今回、株式会社バイテックが開発したワンセグ放送とVHF-LOW帯マルチメディア放送に対応したデジタルフォトフレーム型受信端末が参考出展された。3セグメントを利用し、VHF7chの電波を同軸(RF)ケーブルで直接受信機に入力させ、動画150kbps、音声64kbpsのコンテンツを表示した。
現在はリアルタイム放送のみ対応しているが、「ソフトウェアを追加する事でダウンロードなどの機能も追加可能(ブース説明員)」と説明した。
<<福岡ユビキタス特区で実施中の有料コンテンツダウンロードをデモ>>
福岡ユビキタス特区で7月からモニター向けに実証実験を実施している放送番組に連動したコンテンツの有料ダウンロードサービスを展示。
デモでは、VHF7chを使い携帯電話の周辺に微弱電波で送信、3セグメントを利用し、動画:150kbps、音声:64kbps、BML:48kbps、ファイルのダウンロド:250kbpsで伝送した。
このダウンロードサービスは、放送中の番組に連動して、着うたフルやビデオクリップを放送波でダウンロード受信し、そのコンテンツを希望するユーザーは、ダウンロードされたコンテンツを後から鍵だけを通信経由で購入することができるサービスだ。
説明員によると、「KDDIが暗号化とコンテンツ再生に必要な鍵(ライセンスキー)の作成と配信システムを提供している」と説明した。料金の支払いについては、「携帯電話と同じく、auの有料コンテンツの料金回収代行を使っている(ブース説明員)」と説明した。
5.1chサラウンドのデモ
車載用試作受信機
放送波ダウンロード・サービスのコーナー
デジタルフォトフレーム型受信機