【CEATEC2011】TOKYO FM V-Low帯マルチメディア放送をデモ
2011.10.26 UP
マルチメディア・フォトフレーム(参考出展)
FM、VHF帯マルチメディア放送対応の小型筐体内蔵アンテナ
TOKYO FMブースの様子
TOKYO FMは、幕張メッセで10月4-8日に開催したCEATEC JAPAN 2011において、2012年以降に開始される予定のVHF-LOW帯マルチメディア放送用の各種デモを実施した。安心・安全を指向した情報端末や、マルチメディア・フォトフレーム、FM、VHF帯マルチメディア放送用筐体内蔵アンテナを参考出展した。端末は山形カシオ株式会社が開発、アンテナはTDKが開発している。
■ 災害発生時に有効な情報を確実に伝える「安心・安全情報端末」をデモ
3月11日に発生した東日本大震災では、大規模停電により日頃から利用していたテレビや携帯電話が使用できなくなった。その結果、被災者に十分な情報が提供されず、被害の拡大や更なる不安の増大を招いた。そこで、V-LOW帯マルチメディア放送サービスは、地方ブロック向けマルチメディア放送であり、地域に密着した情報を提供するサービスに向いていることから、TOKYO FMでは、緊急時の安心・安全情報の提供インフラとして期待されているV-LOW帯マルチメディア放送向け受信端末の開発に取組んでいる。
TOKYO FMでは今回、V-Low帯マルチメディア放送で提供される緊急地震速報や緊急警報速報の受信機能に対応した安心・安全情報端末とマルチメディア・フォトフレーム、VHF帯マルチメディア放送用筐体内蔵アンテナを参考出展した。なお、本端末は後述するFM、VHF帯マルチメディア放送対応の小型筐体内蔵アンテナを内蔵している。
安心・安全情報端末は、災害時の利用を想定し、320×240ピクセルの5インチ白黒の液晶モニターを利用し、単3電池4本で最長72時間(3日間)駆動するため、「災害発生による停電にも対応できる」(説明員)。また、日常生活での利用も想定し、V-Low帯マルチメディア放送チューナ以外に、時計やカレンダー、スケジューラー機能、FM放送チューナを搭載している。なお、データ放送には対応しているが映像再生機能は搭載していない。
一方、マルチメディア・フォトフレームは、安心・安全情報端末と同様に緊急地震速報や緊急災害放送受信機能を持っているが、無線LANにも対応し、800×700ピクセルの7インチカラー液晶モニターにより、V-Low帯マルチメディア放送サービスで提供される様々なマルチメディアコンテンツやフォトフレーム機能を利用することができる。
■ FM、VHF帯マルチメディア放送対応の小型筐体内蔵アンテナを参考出展
この他ブースでは、TDKが開発したFMとVHF帯マルチメディア放送に対応した小型筐体内蔵アンテナを参考出展している。このアンテナの特徴は、高誘電率、低損失材料を用いた小型設計による筐体内蔵アンテナであり、マッチング回路切替え構造により1つのアンテナでFM波/VHF帯Lowバンド/VHF帯Highバンド/UHF帯の切替が可能となっている。
■ V-Low帯マルチメディア放送なれではの地域情報を提供
TOKYO FMでは、地域に密着したニュースや天気予報、自治体からのお知らせ等の情報をデータ放送にて提供することを想定している。また、災害時には災害情報として避難情報や避難者情報、不明者情報、避難地域情報など災害時に有効な情報もデータ放送で提供することを考えている。これらの情報は、受信端末内に保存されるため、「自分の住んでいる地域を都道府県や市町村を選択することで、被災者が必要とする情報をすぐに知ることができる」(説明員)という。
マルチメディア・フォトフレーム(参考出展)
FM、VHF帯マルチメディア放送対応の小型筐体内蔵アンテナ
TOKYO FMブースの様子