アイシロン・システムズ/10ギガイーサネット対応の「IQアクセラレーター―x」 放送局のHD制作分野に売り込みを本格化
2008.10.24 UP
ストレージシステムメーカーのアイシロン・システムズは13日、10ギガバイトイーサネットに対応したストレージシステム用アクセラレター「IQアクセラレター―x」(写真)を発表した。第5世代(5.0)のファイルシステムである1FS(ファイルシステム)により、10ギガビットイーサネットが実現できたという。1ストリームで3.2ギガビット/秒。
アイシロン・システムズの瀧口昭彦社長は、「すでに放送局やポストプロダクションでは、HD編集システムに大きな投資をしている。しかし、スレージへの投資はばらばらになりがち。ストレージを集中管理するには、アイシロンのようなシステムが向いている」と話す。
通常、ファイルシステムは、1システムで8テラ―16テラバイトが限界と言われており、それ以上を構築するにはシステムを増やす必要がある。アイシロンのストレージでは、従来の製品で1システム1.6ペタバイト(1600テラバイト)まで対応できるという。今回の1FSでは、それが2ペタバイト以上まで対応可能になった。
アイシロンは今回「IQアクセラレター―x」で10ギガビットイーサネットが可能になったことから、放送局のHD番組制作、映画製作の分野で本格的な市場獲得を目指す。
瀧口社長は、「HDのファイルは1時間で800ギガバイト、2時間では1.6テラバイトになる。16テラバイトのストレージでは2時間のコンテンツが10本しか入らない」と、2ペタバイト以上を1システムで実現できるIQアクセラレター―xの利点を示す。
また「ファイルが大きくなればなるほど、ファイルが失われることのダメージが重くなる。バックアップをとるとするとそのインフラも大きくなってしまう。新しいアーキテクチャである1FSはデータロスがなく、バックアップが必要ない」と説明した。
デモでは、IQアクセラレター―xにより、アビッドのノンリニア編集システムで非圧縮HDの素材を、ストレスなく扱い、編集する様子を見せた。
フロントのスイッチは富士通の「フォース10」。
【映像新聞社】