【インタビュー】プロジェクションマッピング協会 町田副会長 「3年の期限をつけて活動。普及啓発、人材育成、地域活性化が使命」

2011.7.17 UP

PMAJ副会長 町田聡氏
7月13日に開催したワークショップ

7月13日に開催したワークショップ

イベントと連動した人材育成を展開

イベントと連動した人材育成を展開

ワークショップで行ったプロジェクションマッピング

ワークショップで行ったプロジェクションマッピング

 既報のように7月8日、「プロジェクションマッピング協会」( Projection Mapping Association of Japan 略称:PMAJ)が発足した。映像を直接、建築物や車、家具、自然物などに投影する表現手法として、欧州ではコンサートやイベント、広告、都市景観のライティングなどに活用されており、観光客誘致にも利用されるなど、日本でも話題を呼びつつある。8月4日から7日まで、神奈川県逗子市で開催される「ZUSHIメディアアートフェスティバル2011」では、同協会が参加して各種のプロジェクションマッピングが行われる予定だ。同協会の副会長に就任した、コンテンツサービスプロデューサーの町田聡氏に、協会発足に経緯や今後の展開について聞いた。(聞き手:小林直樹)


●「逗子を中心に新しい映像文化の創出を」
ーー今回の協会発足の経緯について。
 「昨年8月、逗子で現会長の石多が企画したプロジェクションマッピングのイベントがありました。夏休みのこどもを対象とした地域イベントで、石多が逗子在住ということもあり、逗子を中心として映像で地域の活性化ができないか、かつその活動が地域のこどもに根差して逗子から多くの映像クリエータが生まれるようにと考えた企画です。この企画のために従来から石多が舞台や屋外のイベントでも使っていたプロジェクションマッピングという表現方法を持ち込んだわけです」
 「この時に集まった人間の間からこのイベントを続けることで逗子を中心として新しい映像文化を創出し、次世代の映像の担い手となる子供たちを育てることに貢献したいという意識がでてきました。自然と団体をつくる機運がうまれてくると同時に、同様な活動をしているプロジェクションマッピングのグループやプロデューサー、映画や建築関係の人間にも賛同者ができて、この活動に加わる人が増えてきました。このような経緯でできたのがプロジェクションマッピング協会です」
 「設立の中心メンバーは、すでに舞台などで活動している、プロのアーティストや技術者です。 日頃からのクリエイティブ仲間ですが、普段はそれぞれ別の仕事をしていますので、そう多くのアーティストが集まって仕事をする機会はなかなかありません。もちろんその中には企業に所属する人間もいます」

●活動期限を3年に設定。「企業やアーチスト会員募集し、他地域でも展開」
 ーー協会の運営方法、などについて 
 「プロジェクションマッピングという狭いテーマの団体ですので、実はこのままずっと続けるわけではありません。3年間という期限を設けて活動することになっています」
 「プロジェクションマッピングの普及啓発とそれを担う人材教育や育成、地域の活性化ですので、そのサイクルができたところまでがこの団体の使命だと思っています。もちろん、その段階で継続するか解散するかの議論はあるでしょう。あるいは、
NPOや一般社団法人などに形を変えていくこともあるかもしれません。目的を達成するのに適したやり方を模索することになるでしょう」
 「まだ、会員の細則などができていませんので、運営の詳細は3ヶ月程あとにならないとはっきりしません。逗子でのイベントは時期も回数も広げていく予定ですし、今後はスポンサーを募ったり他の地域への展開も含めて主催イベントでの資金が見込まれるほか、アーティスト中心ということもあり、コンテンツを活用したい企業会員(有料)などで賄う予定です」

●9月から正式会員募集を開始
 ーー現状の会員数など協会の規模、今後の入会の対象、求めている人材や組織・協力について。
 「正式な会員の募集は逗子のイベントが終わったあと、9月ごろになる予定です。まずはクリエイティブ会員を充実するために審査制をとることになります。その後、ハードを含めた会員企業やプロジェクションマッピングをプロモーションなどで活用したい会員や観光誘致に活用したい自治体などの募集を行う予定です」
 「募集前でも積極的に各分野の方々とお会いして、今後の組織への意見を聞いたり、協力を求めている段階です」

●「World Creators List」を作成・公開へ
 ーー海外の同様の組織などとの連携、情報交換などについて
 「現在その辺の調査も進めているところです。いくつかの団体や個人、企業ともコンタクトを初めておりその内容を「World Creators List」として公開していく予定です。
 「海外からは、このような協会ができたことに対して大変好意的なメッセージを頂いており、逗子のイベントに対する興味も高く今後関わりたいというアーティストも出てきています」

●イベントと連動した人材育成を展開
 ーー今後の具体的な活動内容について
 「なんといっても7月の終わりから8月の初めにかけて行われる「ZUSHI メディアアートフェスティバル 2011」(ZMAF2011)です。このイベントが当協会の柱の事業となりますので、いまはこれに集中しています。
 「具体的には、7月の13日にZMAF2011に参加するアーティストや技術者が集まり、美術系の大学生を対象としたワークショップをハンズオン形式で開催しました。このワークショップを経験した学生は、ZMAF2011の各セクションで実際の制作や運営を手伝います。このように、ZMAF2011を中心とした人材育成も同時に行っています」
 「また、他の地域からも地域の活性化にプロジェクションマッピングを使いたいというオファーや企業でも利用したいという意向をすでに数件いただいています。具体的に進めば随時協会ホームページで公開していく予定です」

■プロジェクションマッピング協会
http://www.projection-mapping.jp
■ZUSHIメディアアートフェスティバル2011
http://www.projection-mapping.jp/zushi2011

7月13日に開催したワークショップ

7月13日に開催したワークショップ

イベントと連動した人材育成を展開

イベントと連動した人材育成を展開

ワークショップで行ったプロジェクションマッピング

ワークショップで行ったプロジェクションマッピング

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