【コラム】《IBC2010レポート》 グラスのふれあう音響くIBC会場

2010.9.24 UP

商談にもなごやかな雰囲気が加わる

 9月9日から14日までオランダ・アムステルダムで開催されたIBC2010を取材した。多くの日本企業が、多様化するコンテンツ制作に対応すべく意欲的な出展を行っており、心強かった。特に、ソニー、パナソニックといった2大メーカーが共に出展に復帰(パナソニックはこれまでも展示フロアにブースは置いていた)したことは喜ばしい。

 IBCの会場は、今年はホールが増え全部で13ある。幕張メッセや東京ビッグサイト、ラスベガスコンベンションセンターのような直線的な配置ではなく、各ホールはかなり複雑な配置となっている。欧州の展示会場には時々見られるレイアウトだ。地図を片手に走り回るが、午後6時の展示終了まで粘っても、その日の予定を消化しきれないことが多い。

 展示終了時刻になると、主催者から終了のアナウンスが流れ、照明が明るくなるのが世界の展示会に共通したフォーマットではないかと思われる。そして、ブースは店じまいし、展示担当者達は更なる商談、またはミーティングに散ってゆく。

 ところが、IBCに代表される欧州の展示会は、展示終了の頃から夜のビジネス活動の間に一拍入る。なんと、ブースで軽く一杯が当たり前のように行われているのだ。夕方になると、展示フロアの通路は、ワインやおつまみを運ぶケータリング業者が行き交い始め、昼間とは異なる人の流れとなる。

 顧客と杯を交わすこともあれば、自社のスタッフ同士での交流もある。ここには、ブースでの飲食は御法度、酒などとんでもない、という考えはない。ブースは交流のための基地、ここを中心にして潤滑油を加えながらゆっくりコミュニケーションを図る。こう考えると、展示の実質終了時刻は午後5時で、それからの1時間はコミュニケーションタイムなのかも知れない。来年は、ブース訪問は午後5時で切り上げることとしよう。

#interbee2019

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