アプローズシステム、高感度の光マイクを放送分野向けにアピール

2008.11.22 UP

アプローズシステムのブースでは、新製品として出展された光反射式高感度マイクロホン(光マイク)が来場者の注目を集めていました。光マイクは、これまで医療用途を中心にコバテルが商品開発および販売を手がけてきましたが、今回、新たに放送分野の市場開拓を目指してアプローズシステムが取り扱いを開始します。Inter BEEへの出展をきっかけに、放送業界関係者への光マイクの認知度向上に意欲を見せていました。


■シリコン振動板で騒音環境でもクリアな音声を収集

 光マイクは、イスラエルのアシュケロンIT研究所により、世界で初めて非磁性体素材を用いて開発された光センサーマイクロホンです。振動板には、半導体プロセスによるシリコンメンブレンを使用することで、高感度な性能を実現しています。微細な音を光が捉える光アクチェター方式により、従来のマイクロホンに比べて高感度で音を収集することができます。従来のマイクロホンの収集範囲が50~60cmであるのに対して、光マイクでは周囲2mまでカバーします。

 光アクチェターのシリコン振動板により収集した音声データは、光ファイバーを通って光変換モジュールに伝送され、アナログ音声として出力されます。光アクチェターのサイズは6mmと小型軽量で、光ファイバー延長距離は1km以上の長距離伝送が可能となっています。光ファイバーから光アクチェターまで電気を一切使用していないため、防爆環境での使用に最適で、さらに金属類を使用していないため、強磁界環境においても音声を捉えることができます。また、ダイナミックレンジは140dB SPLまでカバーしており、大騒音の環境でも活用することが可能です。
 現在、光マイクはコバテルが海外ハイテク会社と提携を行い、共同で技術開発、商品開発を手がけており、主に医療分野での導入が進んでいます。コバテル常務取締役総合企画部長の宮原信弘氏は、「光マイクは、強磁界の影響を受けない特長をもつことから、MRI/MEG分野での音声マイクロホンとして注目され、ヨーロッパ、米国および日本を始め各国の研究所、大学研究所、試験所、病院などで活用されています。また、工業用の内視鏡として、自動車の塗装工程など使われているほか、防爆環境における音声センサーとしても注目されています」と述べています。
 今回、光マイクの新たなマーケットとして放送分野にフォーカスをあて、放送関連機器の販売で実績をもつアプローズシステムがパートナーとなりInter BEEに出展。アプローズシステムのブースで、放送業界の来場者に向けて光マイクをアピールしました。

 アプローズシステム代表取締役社長の飯塚貞三氏は、「光マイクは、無指向性で、横からでも後からでも高品質の音声を収集できるとともに、雑音の多い環境でもクリアな音声をひろうことができます。こうした特長を生かして、競技場など野外での集音マイクや高感度ピンマイクなどへの応用が期待できます」と、放送分野での市場開拓に意欲を見せていました。

【Inter BEEニュースセンター】

◎写真
Inter BEEに出品された光マイク

#interbee2019

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