STUDIO PLUS社、世界初の同軸ケーブルによる低価格HD映像伝送システムを開発

2008.11.22 UP

STUDIO PLUS社は、UAEのドバイで創業したベンチャー企業です。同軸ケーブル(Triax/Coax)を用いたHD/SD映像リアルタイム伝送システム「Camera Triax/Coax Adapter」を独自開発し、圧倒的なコストパフォーマンスを武器に、アジアおよび中近東地域をターゲットに市場開拓を目指しています。今回のInterBEEでは、パートナー企業であるサンズと共同で、同製品を日本で初披露するとともに、日本市場におけるビジネスの可能性を探っていました。


■Inter BEEへの出展で日本市場のビジネスにも手応え

 STUDIO PLUS社を立ち上げたロビン・フッド氏は、放送関連機器に携わって約30年のキャリアをもち、そのノウハウと卓越した技術力を駆使して「Camera Triax/Coax Adapter」を開発しました。同製品は、撮影用カメラにマウントするカメラアダプター「CA-70HD」と映像信号を受信するベースユニット「BS-70HD」で構成され、カメラアダプターとベースユニットをTriaxまたはCoaxの同軸ケーブルでつなぎ、非圧縮のHD/SD映像をリアルタイム伝送することができます。同軸ケーブルによってHD映像を伝送するシステムは世界初となります。

 カメラアダプターは、ユーザーの利用している撮影用カメラの各種接続方式に対応。また、ベースユニットには、スタジオ用とポータブル用の2モデルを用意し、スタジオ用モデルは200mまで、コンパクトなポータブル用は100mまで同軸ケーブルの距離を伸ばすことが可能となっています。

 光ファイバーケーブルによるHD/SD映像伝送システムに比べて、圧倒的なコストパフォーマンスを実現しているのが特長で、「カメラアダプターとベースユニットのセットで、価格は7000~8000ドルを想定しています。HD映像を遅延なく伝送できる性能を備えながら、これだけの低価格を実現しているシステムは他にはありません。予算的に高額な映像伝送システムが導入できない学校関係やミニ放送局、プロダクションなどをターゲットにアプローチしています」(フッド氏)とのこと。

 現在、パートナー企業であるサンズと共同で製品の製造・販売に向けた取り組みを進めており、来年初めにも生産を開始する予定です。サンズ取締役副社長の酒井大介氏は、「マーケットとしては、アジア地域および中近東地域をメインターゲットにしています。日本市場については、高額でも、より高品質の製品を求める傾向があり、光ファイバーケーブルのHD映像伝送システムが主流になりつつあるため、当初、ターゲットにはしていませんでした。ただ、市場調査を兼ねて出展した今回のInter BEEで、来場者の反応をみたところ、買い換えや買い増しなど、同軸ケーブルによる低価格のHD映像伝送システムにも十分ニーズがあることがわかりました」として、Inter BEEへの出展によって新たなビジネスチャンスを発見できたことに手応えを感じていました。

 業界関係者からの生の反応を得られるInter BEEは、海外出展企業にとって、日本市場参入の足がかりとしても重要な役割を果たしているといえそうです。

【Inter BEEニュースセンター】

◎写真1枚目
STUDIO PLUS社マネージングディレクターのロビン・フッド氏(左)とサンズ取締役副社長の酒井大介氏

◎写真2枚目
カメラアダプター(上)とスタジオ用ベースユニットのセット

◎写真3枚目
カメラアダプター(上)とポータブル用ベースユニットのセット

#interbee2019

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