日本通信機、NHKと共同開発したフィールド利用できる「受信マージンチェッカ」を展示
2007.11.22 UP
日本通信株式会社(神奈川県大和市、代表取締役 小林 登)は、NHK(日本放送協会)と共同開発した地上デジタル放送の受信信号レベル、C/N(キャリア対ノイズ)比、簡易BER(ビット誤り率)のほか、デジタル受信機が正常に受信できる受信限界までのマージンを測定する「地上デジタル放送受信マージン測定器」を開発し、国際放送機器展(InterBEE2007)に展示している。(写真1)
今回開発したこの測定器は、地上デジタル放送の受信信号にノイズを重畳して、テレビ映像が破綻するまで劣化した時のノイズ量から受信システムにどの程度のマージンマージンがあるかを把握する。
従来の受信環境測定と比較した場合のメリットに関して日本通信機株式会社 技術部主管の矢作勲氏は「デジタル放送を安定して受信するためには、受信限界までのマージンを大きくとるように受信システムを構成する必要がある。そこで今までは受信信号レベルを測定するレベルメータとビット誤り率(BER)を測定する機器と別々に使用すし、その後人手により評価する必要があった。また受信状況が比較的良好な場合は、データのビット誤りの発生が少ないため、ビット誤り率を長時間測定する必要があった。しかし、この測定機1台で、短時間での測定が可能」と説明した。(写真2)
また、測定器の重量がバッテリー込みで1.4kgと軽く、さらに単3電池で4時間連続使用が可能なため、「手軽にフィールド利用ができる(矢作勲氏)」特徴がある。(写真3)
よって、戸建住宅、共同受信施設のデジタル化、周波数変換パススルー方式のケーブルテレビの共同受信施設での測定に利用できるため、「アンテナ工事業者やケーブルテレビ敷設事業者に使ってもらうことを期待している」と矢作勲氏は説明した。
なお、本測定器の商品提供時期について、矢作勲氏は「現在、最終的な測定アルゴリズムの検証を行っており、来年早々にでも商品化したいと考えている」と話した。
(IT・放送技術コンサルタント 隅倉 正隆)
【記事提供:映像新聞社】