【ニュース】ナック イメージテクノロジー カールツァイス認定サービスセンター開設
2009.8.19 UP
Zeissレンズのラインナップ
100mmのマスター・マクロレンズ
(株)東京現像所の木下良仁取締役
2系統の出力を備えたARRI D-21のリアボディ
ナック イメージテクノロジーがドイツ・カールツァイス社シネレンズのサービスセンターとして日本で初めてCertificateを取得した。これを期にナックは、カールツァイス認定サービスセンターを開設し、シネレンズの保守・管理サービスを開始する。
去る7月30日、ツァイス社ディヴィジョン・ディレクターのChristian Bannert 氏より、ナック 植木謙一代表取締役に認定証が授与された。
<<エンジニアをドイツに派遣>>
ナックではこれまでにツァイスレンズの品質向上を保証する為に同社エンジニアをドイツに派遣。またレンズ精度の解析・確認の専用設備「Carl Zeiss/ MTF –Tester K8という」を導入した。これはマスタープライム、デジプライムレンズを始めとする高品位シネレンズを、3種の空間周波数を用いてMTF測定(解像度とコントラストの管理、定量化)を行い、スリットスキャニングによるラインイメージ分析なども可能にする。
同日に開催したオープンハウスの1FフロアにはZeissシネレンズの豊富なラインナップが展示されていた。著名なマスタープライム、ウルトラプライムの他、新しい製品としてコンパクトプライムが目を引いた。
<<スチル・レンズをベースにすることで、高品質・低価格を実現>>
これらのコンパクトプライムは、PLマウントの映画撮影用であるが、スチル・フォトグラフィー・レンズをベースにする事でZeissならではのクオリティ(フレア抑制、上位レンズとのカラーマッチング)を維持しながら低価格を実現している。インディペンデント映画、CM、TV映画での活用に期待できるであろう。また、100mmのマスターマクロレンズも紹介されていた。
デモフィルムの上映では、拡大された女優の瞳、コスメチックの発色は美しく、ヒトの眼では捉えられないリアルさと幻想さを併せ持つ描写力であった。
<<セミナー:映画『食堂かたつむり』でのARRI-D21ワークフロー>>
カールツァイス社によるプレゼンテーション後、映画『食堂かたつむり』(2010年公開予定 監督:富永まい 主演:柴崎コウ)おけるワークフローを例に(株)東京現像所の木下良仁取締役からデジタルシネマ制作の説明が行われた。『食堂かたつむり』では、ナックのARRIFLEX D-21フィルムスタイル・デジタルカメラが使用された。フローによれば、カメラから2系統の出力(HD-SDI 1、2/RGB4:2:2)により、それぞれLog C(Cineon準拠ガンマ)とLinear(Rec.709規格ガンマ)を得、HDCAM-SRに両方を記録した。
Log Cは言わばネガとして、Linearはラッシュとしてポスプロに送られる。AvidでのオフラインデータはPabro 4Kのシステムに反映され、カラーグレーディング(タイミング作業)での追込み後、ARRI LASERによってフィルムレコーディングされる。 ディスクレコーダやメモリーレコーダが進歩する中で、HDCAMというテープベースでの制作には出席者から様々な質問がなされた。
しかし、あくまでLog Cをオリジナルとして活かし、さらにテープという安定性の高いメディアを介してのパッケージ作りは、効率性の高さと素材管理、品質維持の面で現場にはかなりのメリットをもたらすと感じられた。
ナックではARRI製品を中心に今後とも保守・メンテナンス体制の強化を図り、様々なフォーマットの映画制作(特にデジタルシネマ)に対応した高度なサポート、サービスを提供していく予定だ。
株式会社 ナック イメージテクノロジー
nac Image Technology inc.
〒107-0061東京都港区北青山2-11-3
Zeissレンズのラインナップ
100mmのマスター・マクロレンズ
(株)東京現像所の木下良仁取締役
2系統の出力を備えたARRI D-21のリアボディ