【Inter BEE 2009 見どころピックアップ!】ヒビノ ハーマン・グループ各社から新製品を出展
2009.11.6 UP
AKGの新製品、WMS4500ワイヤレスシステム
ヒビノプロオーディオセールスDiv.の大平(おおだいら)氏
ヒビノ株式会社、ヒビノインターサウンド株式会社、スチューダー・ジャパンブロードキャスト株式会社との3社共同による出展となる。
ヒビノは、JBL、PROFESSIONAL、AKG、dbxといったハーマンプログループの製品と、世界的なマイクのブランドであるShure、世界中の放送局で高い信頼を獲得しているコンソールブランド・スチューダーなどの製品ラインアップを紹介する。
主な出展製品は、次の通り。
◆ヒビノ株式会社
<JBL、PROFESSIONAL>
・VT4886ライブSR用ラインアレイスピーカー
・CBT シリーズ(固定設備用コラムスピーカー)
<Soundcraft>
・Si1(ライブSR用デジタル・ミキシングコンソール)
<AKG>
・WMS 4500シリーズ(ワイヤレスマイクロホンシステム)
<そのほかの新製品>
・AMCRON(パワーアンプ)、BSS AUDIO(シグナルプロセッサー)、dbx(シグナルプロセッサー)、Lexicon PRO(リバーブレーター)、HIBINO(BWF-J編集ソフト)
◆ヒビノインターサウンド株式会社
<Shure>
・UHF-R MW(マルチチャンネル・ワイヤレスマイクロホンシステム)
・SRH840、SRH440、SRH240(ヘッドホン)
<DiGiCo>
・SD8-24(ライブSR用デジタル・ミキシングコンソール)
<CALREC>
・APOLLO(放送局用デジタル・ミキシングコンソール)
<そのほかの新製品>
CAMCO(パワーアンプ)、DK-Technologies(マスターサウンドディスプレイ)、DPA Microphnes(マイクロホン)、Gefen(延長機、切替機、分配機、変換器など)、MUTEC(クロック・ジェネレーター)、TUBE-TECH(真空管式シグナルプロセッサー)、LYNX Technik AG(映像周辺機器)、OSEE(AVモニター)
<<JBL製ラインアレイスピーカーの新シリーズを出展>>
ヒビノのエリアでは、JBL、Soundcraft、AKG、AMCRON、BSS、dbx、Lexiconと、スチューダー製品を展示する。
JBLからは、今まで大規模なコンサート、アリーナ、ホールで使用されていた、バーテック(VERTEC)のラインアレイスピーカーの新シリーズを出展する。これまでラインアレイスピーカーとして、スタジアムなどで有名アーチストのコンサートで利用されるなど、世界で納入実績を重ねてきたバーテックが新たなシリーズとして、新たに設計した製品。
これまでよりコンパクトでありながら、高出力を実現。また、音を狙ったエリアに届けるための回路を新たに搭載している。VT4886は、シリーズの先駆けとして登場する製品で、比較的小型のタイプ。
今後、同シリーズで順次大型の製品が発表されていくという。VT4886は、中・大規模ホールなどを対象にしたサイズ。設置によってさまざまなアプリケーションに対応できる。
<<コラム型を採用した新シリーズ CBTシリーズも発表>>
JBL製品としては、従来の店舗、会議室向けの埋め込み型スピーカー「コントロール・シリーズ」に加えて、公会堂、学校の体育館、会議室などで用いられる固定設備用のスピーカーの新シリーズCBTシリーズを出展する。サイズがコンパクトで目立たないデザインでありながら、部屋の隅々まで音を到達させるようにデザインされている。ドライバーを一直線にならべることで、音が拡散せずに到達するコラム型を採用。部屋の形状に応じて設置することで、どこでも明確に音が伝わる。InterBEEを機に発売を開始する。
<<SoundcraftからはSiシリーズ新製品のSi1を展示 さらに省スペース化>>
英国のコンソールメーカーSoundcraftからは、オールインワン・デジタル・ミキシングコンソール・シリーズのSiシリーズの新製品Si1を出展。昨年はSi3を展示したが、バスの数などSi3と同じ処理能力を持ちながら、さらにコンパクトになっている。オールインワンタイプのため、ラックも必要なく省スペースでありながら、一台でライブに対応できる。中・小規模のライブハウス向け製品。
ヒビノプロオーディオセールスDiv. プロフェッショナル営業部マーケティングチームの大平和宏氏は、Siシリーズの特徴について、次のように説明する。
「ライブハウス、コンサートなどで用いるコンソールは、暗闇で使用することが多いため、暗闇でも使える操作性の高さが求められる。デジタルコンソールは、コンパクトであることで、一つのスイッチの機能が複数になりがちで、あらかじめプリセットで保存したデータを出すためのユーザーインタフェースが重要になる。Siシリーズはフェーダーの下に7色に変化するLEDランプがあるため、スイッチの状態が色で判断できるようになっている点が大きな特徴。また、プリセットのデータを容易に出せるインタフェースを装備しており、ライブハウスに適している」
<<ワイヤレス機器の管理システム ハイ・キュー・ネットの対応製品をデモ>>
AKGの新製品、WMS4500ワイヤレスシステムは、AKGのアナログワイヤレスシステムのフラグシップモデル。コンサート、会議などでのマイクの音声をワイヤレスで伝送する。
WMS4500は、ハーマンインターナショナルが提唱しているワイヤレス機器の管理システム、ハイ・キュー・ネット上で管理できる。ハイ・キュー・ネットは、ハーマングループであるdbxのドライブラック4800、JBLスピーカーなど、各種の製品に対応している。
「通常は、ライブ会場では、複数のワイヤレス機材を用いる際、それぞれの機材ごとに設定をしながら、互いの干渉を避ける配慮が必要になる。ハイ・キュー・ネットに応じた製品を用いれば、複数の機材の入力メーター、出力メーターを同一の画面でモニターできる。電波の状況をモニタリングし、空いている電波にアサインするといったことが容易になる」
「いってみれば、音響システム全体を一つのソフト上で管理できることになる。音響システム全般をカバーするハーマン・グループならではの強み。今後はさらに、ミドルレンジの製品群でも、ハイ・キュー・ネットに対応していく方向」(大平氏)
会場では、JBLの設備用スピーカー、CBTシリーズのスピーカーなどを壁面に設置し、背面でネットワークを組み、dbxのプロセッサーを用いて、スピーカーを選びながら音を試聴できるようにしている。
<<最大39チャンネルをワイヤレスで同時接続可能なマイクロホンシステム>>
Shureからは各種の新製品を出展する。
新製品の一つ、UHF-R MWは最大39チャンネルまで、ワイヤレスで同時接続できるマイクロホンシステム。音楽ライブや放送局の特番などで、一度に多数のマイクを使用する場合、これまでは、無線のチャンネル数に限りがあったため、有線マイクを便宜的に使っていたものをすべて無線で実現できる。
Shure製品としても一つの注目製品が、業務用ヘッドホンだ。
大平氏は、Shureの新製品ヘッドホンについて、「Shureはこれまで、マイクの開発会社として世界的な定評があり、高い集音のノウハウを持っている。また、ライブステージでアーチストが用いるイン・イヤー・モニターシステムの高級機も提供してきた。今回のヘッドホンは、その技術を用いて開発した製品」と話す。
特徴としては、「装着感にこだわり、安定性、音漏れを起こさないなど。音の質感にもこだわっている。また、内部のドライバーを高音・中音・低温のそれぞれに別個に持つため、それぞれが解像度の高い音を実現している」(大平氏)という。
ヘッドホンは、エントリー、スタンダード、ハイエンドの3機種に加え、DJモデルを発売する。
<<外観はあの「骸骨マイク」、内部はダイナミックマイク最上位機種のカートリッジ>>
Shure製品としては、このほか、ダイナミック・マイクロホン スーパー55を出展する。外観は、従来「骸骨マイク」として知られてきた555Hのスタイルを踏襲しながら、内部をShure製ダイナミックマイクの最上位機種と同等のカートリッジを採用し、ライブのビジュアル感と高い音質を両立している。
また、Shure社のオーディオインターフェース X2uも出展。マイクに接続することで、マイクで集音した音を直接USB経由で、パソコンなどに送ることができる。
<<DiGiCoの最上位デジタルコンソールSD8の機能を継承するコンパクト版 SD-8の新版SD8-24が登場>>
DiGiCoのデジタルコンソールSD8は、昨年発売され、最上位機種であるSD7の機能を持ちながらコンパクトで低価格を実現している製品として、日本でも大きな反響を呼んだ。
DiGiCoは、世界的なデジタルコンソールメーカーとして知られ、SD7は、高い冗長性を持ち、電源、プロセッサーをはじめ2台分の機能を内蔵していることで、ライブや放送局での利用に最適の製品。ライブ用コンソールとして欧州のアーチストに人気があり、著名なアーチストが世界ツアーで用いている。
今回のブースでは、新たにSD8のラインアップとして、SD8-24を発表する。
これは、SD-8をコンパクトにした製品。横幅は1メートル弱でありながら60のステレオチャンネルを装備し、バスも24ステレオバスを内蔵。上位機種のSD7が持つマルチバンド・コンプレッサー、ダイナミックイコライザーなど、高品位な信号処理機能を追加するアップデートもオプションで用意。
<<放送現場での多チャンネル化に応じた1000チャンネル対応ミキシングコンソールAPOLLOを発表>>
CALREC社からは、新シリーズとして、放送局用デジタル・ミキシングコンソールAPOLLOを発表。アルファ、オメガなど、既存のコンソールが搭載するDSPブルー・フィンでは、 48khzで約500チャンネルに対応する機能を持っていたが、APOLLOでは、新たなチップ、ブルーフィン2を搭載し、約1000チャンネルに対応する。
「放送の現場では、多チャンネル化が進み、膨大な数のチャンネル数が必要とされており、そうした環境に対応する最先端の技術、機能を搭載している」(大平氏)
AKGの新製品、WMS4500ワイヤレスシステム
ヒビノプロオーディオセールスDiv.の大平(おおだいら)氏