【映像制作の現場から】日本から韓国・中国・シンガポールでも導入実績 全周3D立体映像によるシアター型アトラクション
2009.10.22 UP
シアターの内部
代表取締役の後藤国男氏
企画部の長江幹雄部長
<<全天周立体映像がアミューズメント施設で人気>>
福岡市に本拠を置く映像制作会社のシステムプロが企画・開発した全周立体映像によるシアター型アトラクション「MEGA 3D 360(サンロクマル)」の導入がアミューズメント施設を中心に広がりを見せている。
東京・台場でもすでに稼働が始まり、さらには韓国、中国(上海)、シンガポールにも輸出され好評を得ている。韓国は、大田動物園(O-World)、韓国ソウルランド、中国は、上海の上海影城(シネコン)に、シンガポールは、ブギスのイルマビルに導入されている。
<<DLPプロジェクター6台使用 シームレスな全周スクリーンを実現>>
標準タイプのシアターは直径6.5m、高さ3.8mの円筒型で観客25名を収容。内部には全周スクリーン(横18m×縦2.8m、360度シームレス)と、1セット2台(L+R)、計6台のDLPプロジェクター(4000ルーメン以上)が設置されており、それぞれが6分割された映像(横3m×縦2.8m、HD30p)を投影している。
映像の境目部分を自社開発の特殊技術でブレンドミックスしており、システム自体が国内特許登録となった。観客はパッシブ=偏光メガネ方式にて鑑賞する。全周スクリーンの臨場感に加え、各所から迫る立体映像が”体を通り抜け、振り向くとその後ろ姿が見える”といったようなバーチャルリアリティ効果が新しい。
音響は6.1サラウンドであり、さらに低域増長部(エクストラ・サブ・ウーハー=ボディソニックを床面に配している。上映作品によってはエアー噴出による演出もある。
アトラクション一式の提供はパッケージとしては決して小さくないサイズだが、標準タイプの導入コストは4000万円前後に抑えた。
<<オリジナル作品を10タイトル制作>>
コンテンツについては児童向けアニメーションからカップル向けホラーまで(株)システムプロのオリジナル作品がすでに10タイトル製作されており、順次、新作もラインアップされる予定だ。
また、運営コストは人件費を除くと電気代とプロジェクターランプ交換費程度である。立体カラーバーの立体視確認から始まったシステム開発だが、2007年、最初の作品が360度空間を飛び廻る3D映像が成功を収めた。
「今後コンテンツは年2本ペーズで作っていきたい。オリジナルな作品のみならず、既存の人気キャラクターとのコラボレーションも模索していきたい(同社企画部、長江幹雄部長)」アジア、欧米そして世界への進出も視野に現在、国際特許も出願中である。
シアターの内部
代表取締役の後藤国男氏
企画部の長江幹雄部長