【ニュース】NTT、市場初AVC/H.264対応、最大12ビット･イントラエンコード技術を発表

　NTTは7日、AVC/H.264に準拠して最大12ビットの4:2:2映像信号を符号化できる「フルHD」対応のリアルタイム・イントラエンコーダ構成技術を開発したと発表した。　

　NTTがこれまで開発してきた技術を含め、放送事業者向けの素材伝送用H.264リアルタイムエンコーダは8 ビットの符号化にとどまっており、高階調映像に対応した符号化装置の登場が待たれていた。

　今回NTTが開発した技術は、1ピクセルあたりの階調が現在の地デジやDVDなどの8ビットである映像の16倍となる最大12ビット（4096階調）のフルHDTV映像（1920x1080i）を4:2:2フォーマットで、AVC/H.264標準に準拠して符号化するもの。 内部データ転送の効率化や演算回路の並列化によって、従来の1.5倍の階調幅を持つ映像信号をリアルタイムに符号化できることにより、美しいHDTV映像を豊かな階調と色信号を保ったまま圧縮できる。
　フレーム間差分予測を使用しないイントラ符号化を採用してエンコード処理を低遅延にとどめ、符号化データの編集も容易にしたという。
　高階調撮影に対応したカメラで撮影された映像素材を記録し、広帯域IPネットワークを介して自在に伝送することが容易となり、今まで以上のハイクオリティなHDTV映像コンテンツの作成がIPネットワークを介して大きく促進されると期待される。

　NTTは、「高階調対応のディスクパッケージやIPTV映像配信技術が今後開発されれば、このように作成された臨場感あふれるコンテンツが各家庭に供給され、次世代高速無線LANなどのホームネットワークを介して、臨場感あふれる高品質映像をディスプレイに伝送し、自在に視聴することも可能になる」という。NTTでは、今回開発した技術をIBCで展示する。