リアルサウンドラボ・ジャパン、世界初の音響パワーイコライザを国内でも普及拡大へ
2008.11.7 UP
リアルサウンドラボ・ジャパンは、世界初の音響パワーイコライジング技術「CONEQ(コネック)」を活用した4096バンド音響パワーイコライザ「APEQ-2pro(エーペック2プロ)」を主力製品として、日本でのオーディオ市場開拓に力を注いでいます。限りなく原音に近いスピーカー音質を再現できる画期的な新製品は、今後、日本のオーディオ業界に大きなインパクトを与えることになるでしょう。Inter BEEのブースで、ぜひ最先端の音響パワーイコライザを体感してください。
■画期的な音響パワーイコライジング技術「CONEQ」を開発
リアルサウンドラボ・ジャパンは、ラトビアに本社を置くリアルサウンドラボ社の日本法人として、今年6月に設立されました。代表取締役の朝日英治氏は、「ラトビアは、世界でも音響技術に関する研究が進んでいる国であり、その中で、リアルサウンドラボ社では世界初の音響パワーイコライジング技術としてCONEQを開発しました。日本では、まだプロのオーディオエンジニアでもこの技術を知っている人は少ないのが現状ですが、日本法人の設立を機に、積極的に啓蒙活動を展開しており、認知度向上を進めていきます」と意欲を見せています。
同社が開発した新技術「CONEQ」は、CONvolution EQualizerの略称で、独自のアルゴリズムによって、スピーカの音響パワー周波数特性を測定・分析します。従来のイコライザ技術では、スピーカ正面の軸上の1点の音圧周波数特性を測定・分析し、オーディオエンジニアの主観と経験で補正が行われていました。これに対して、「CONEQ」では、スピーカの前面を包み込む仮想面に沿って、音圧を綿密に測定することで得られる音響パワーを基に客観的に補正を行います。これにより、スピーカの線形歪み(振幅、位相、タイムアライメント)をきわめて正確に補正することが可能になりました。
■スピーカの前面約400点で周波数測定、4096バンドの超高精度で補正
この「CONEQ」技術を活用して開発した製品が、世界初の4096バンド音響パワーイコライザ「APEQ-2pro」(Acoustic Power frequency EQalizer)です。この製品では、スピーカの前面約400点で周波数測定を行い、4096バンドの超高精度で補正することで、スピーカから放たれる全音響パワーをフラットにします。これにより、システム構成や設置位置に関わらず、限りなく原音に近い再生が可能になります。また、特性に起因する位相とタイムアライメントのズレを完璧に補正できるため、声の明瞭度に加え、音の躍動感、臨場感を増すこともできます。
「APEQ-2pro」の用途として、まずあげられるのが音楽/テレビ制作マスタリグスタジオのモニタ補正。「APEQ-2pro」でイコライズされたモニタを使うことで、マスタリングエンジニアは原音に限りなく近い音を基準にマスタリングを行えるようになり、意図した音をそのまま視聴者に送ることができます。また、屋外/屋内コンサートでのスピーカアレー補正に活用すれば、音響パワー周波数特性と同時に、個々のスピーカの干渉で生じた位相やタイムアライメントの乱れを完全に補正でき、ハウリングも大幅に軽減できます。「すでに欧米では、レコーディングスタジオや放送/映画制作スタジオのモニタ、コンサートホール、映画館や公共施設の音響システムなど様々な分野で使用されています。日本でも、スタジオなどにデモ提案をしていますが、製品に対する評価は高く、導入を検討していただいています」(朝日氏)。
■民生機器にも技術ライセンス提供、限りなく原音に近いサウンドを再現
また、日本法人は、プロフェッショナル用途向けに「APEQ-2pro」の普及・拡大に取り組む一方で、世界をリードする国内民生機器メーカーに「CONEQ」技術のライセンス提供を進めることも大きな役割となります。「CONEQ」は、ハイエンドホームオーディオから薄型TV、パソコンなど、一般消費者向けの民生機器に搭載することができます。「CONEQ」対応されたオーディオ機器では、全音響パワーが完全にフラットになるため、原音に限りなく近いサウンドを再現できるようになります。
Inter BEEの展示ブースでは、実際に「CONEQ」によって音響パワーイコライジングされた音を体感できるデモコーナーを用意します。イコライジング前と後の音を聴き比べると、その違いは歴然。イコライジングされた後の音は、スタジオ録音時のボーカルや楽器の位置まで原音に忠実に再現され、あたかもその場所にボーカルがいるかのような臨場感を感じることができます。また、数種類のスピーカを設置して、イコライジング前と後の音を聴き比べてもらうデモも行います。
このデモでは、イコライジングによりスピーカごとの特性が完全に補正され、どのスピーカでも全く同じ音質が再現されることがわかります。同社のブースは、オーディオ業界関係者から大きな注目を集めることになりそうです。
【Inter BEEニュースセンター】
◎写真1枚目
「APEQ-2pro」
◎写真2枚目
音響パワーの概念
◎写真3枚目
スタジオモニタの補正事例